50代女性の4割が更年期障害を疑う―厚労省調査 :「病院には行かない」が多数派
健康・医療 社会
厚生労働省の調査で、更年期症状を疑いながら、多くの人が病院を受診していないことが明らかになった。なんとなく気分が落ち着かない、駅の階段を上ると呼吸が苦しい、急にほてって汗が出る―「それぐらいのことで病院に行ってもいいの?」とついつい躊躇(ちゅうちょ)してしまうのは、日本人の気質かも。
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厚生労働省の「更年期症状」に関する意識調査で、女性のうち40代で28.3%、50代で38.3%、60代で27.7%が更年期障害の可能性があると考えていることが分かった。一方、医療機関を受診して、「更年期障害」と診断された割合は、40代3.6%、50代で9.1%、60代6.9%とどの世代も1割にも満たなかった。
「更年期」は一般的に閉経をはさんだ10年間程度の期間を指し、ホルモンの減少によって、のぼせ、動悸(どうき)、イライラなどさまざまな不調が起こる。日常生活に支障が出る場合は「更年期障害」と呼ばれる。
更年期症状が1つでもある人に、自覚してから医療機関を受診するまでの期間を聞いたところ、3カ月以内に受診した人の割合は、40代9.1%、50代11.6%、60代9.9%で、「受診していない」が圧倒的多数派。医者にかからず、やり過ごそうとする人が多いようだ。
男性も40歳以降に、男性ホルモンの減少によって、女性の更年期障害と類似した症状が出ることがあるが、十分に解明が進んでいない。男性で医療機関を受診して「更年期障害」の診断を受けた人は40代1.5%、50代1.7%、60代0.9%と女性よりもさらに少ない。更年期障害の可能性があると考えている人は、40代8.2%、50代14.3%、60代13.6%にとどまった。
調査は全国の20歳から64歳までの男女を対象に実施、女性2975人、男性2025人の計5000人から回収した。
バナー写真 : PIXTA