住民76人に1人がひきこもり― 江戸川区大規模調査 : 30~50代、10年以上が多い
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人があふれる東京で社会との接点が少なく、孤立して暮らす人が76人に1人。働き盛りの30~50代には10年以上のひきこもり生活をする人が多い。東京都江戸川区が実施した大規模調査で、都会の孤独が浮き彫りになった。
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東京都江戸川区が2021年度に実施したひきこもり大規模実態調査で、区内の7604世帯に7919人のひきこもり当事者がいることが分かった。
調査は、区内約35万世帯(約70万人)のうち、給与収入に課税されていない人や、介護などの行政サービスを受けていない人がいる18万世帯を対象に21年7月から22年2月にかけて実施。10万世帯から回答を得た。教育委員会で把握している不登校児童生徒1113人と、既に区の支援を受けている64人と合わせると区内のひきこもりの人は9096人に上り、区民76人に1人がひきこもりということになる。
今回の調査で明らかになった7919人は女性51.4%、男性48.3%。世代別では40代が17.1%と最も多く、50代(16.6%)、30代(13.9%)が続き、30~50代でほぼ半数を占める。
引きこもり状態になってからの期間は、全体では「1~3年未満」(28.7%)が最も多かったが、30~50代世代においては、10年以上の人の割合が多い。
きっかけとしては、「長期療養を要する病気」「職場になじめなかった」「就職活動がうまくいかなかった」などが多い。
ひきこもり当事者が求めているものを聞いたところ、「何も必要もない、今のままでいい」が32%で最も多く、「就労に向けた準備」21%、「短時間でも働ける職場」15%を大きく上回った。
江戸川区では、調査で得た情報をひきこもり当事者と家族の支援に取り組む方針。アンケートの調査票がきっかけとなり、区の相談窓口に電話をしてくるなどして、既に54人の直接支援に結び付いたとしている。
バナー写真 : PIXTA