銭湯「500円時代」に:東京で今夏にも20円値上げへ
社会 暮らし
東京都の銭湯入浴料金が今夏にも値上げされ、大人(12歳以上)でちょうど500円になる見通しだ。400円台に突入したのは2000年。22年間で25%アップしたことになる。
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銭湯の料金は各都道府県の条例で統制されている。東京都は6月3日に値上げを審議する会合を開き、燃料費高騰などの状況を受けて、料金を改定すべきだと決定した。値上げ幅は20円で、大人500円、中人(6歳以上12歳未満)200円、小人(6歳未満)100円になる。知事の決定を経て今夏にも値上げ実施となる。
大人料金の値上げは2021年に続き、2年連続。神奈川県、大阪府の490円を上回り、初めて500円になる。
東京都の銭湯入浴料金(大人)の推移は下図の通り。今から50年前の1972年(昭和47年)には、わずか48円だった。100円になったのが75年で、それから6年後の81年に200円を突破。70年代から90年代はほぼ毎年値上げがあった。
一方、銭湯の数は減る一方で、全国で2020年現在。3231軒。2017年からの3年間で約500軒も減った。
銭湯が多い都道府県は、東京都(500軒)と大阪府(449軒)、次いで青森県(284軒)、鹿児島県(267軒)、北海道(242軒)。この3道県は人口比で突出して多く、独自の「銭湯文化」が今も残っている。
新型コロナ感染拡大で銭湯も来客者減などの影響を受けた。しかし東京都の場合、公衆衛生の観点から緊急事態宣言発令中も感染防止対策を取りながら営業を続けた。
最近のサウナブームで、都内で人気のサウナ施設付き銭湯では、週末に入場制限が出るほど客が集まる。サウナは通常の入浴料金に加え、400円から500円程度の追加料金が必要。タオルやせっけん、シャンプーなどを用意した「手ぶらセット」料金を設定している銭湯もある。
バナー写真:PIXTA