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1人当たり年間魚介消費量、過去最低の23.4キロ―20年度 : 薄れる魚食文化、肉の消費は増加

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お祝いの席には鯛の尾頭付き、居酒屋ではとりあえず刺身の盛り合わせ、週末は家族でわいわい回転すしへ。日本の食生活は魚なくして語れない…と思っていたけれど、魚介の消費量はこのところ急減している。

世界では、食用魚介類の消費量が増加傾向にある。もともと魚食文化圏であるアジア・オセアニア地域では生活水準の向上に伴って消費量の増加が顕著。欧米では健康志向から魚介類を摂取する人が増えている。

ところが、日本ではじわじわと魚離れが進行。農林水産省が公表した2021年度版の水産白書によると、1人当たりの魚介類の年間消費量は2020年度に23.4キロとなり、比較可能な1960年度以降で最低となった。ピークだった01年度40.2キロの58%まで落ち込んだ。

1人当たりのたんぱく質の摂取量が減少しているわけではない。魚介とは対照的に、肉類の消費量は右肩上がりに上昇、2011年度に初めて肉が魚介を上回り、その後、格差が拡大。2020年度は33.5キロと、魚を10キロも上回った。

魚介類の消費漸減の要因としては、価格が割高であることや、ライフスタイルの変化が指摘されている。切り身の魚やアジやイワシなど調理に手間がかからない魚も多いが、臭いや汚れを気にして魚焼きグリルを使うことを敬遠する人も増えているという。魚食振興には、時代に合ったメニュー提案なども必要だ。 

バナー写真 : PIXTA

和食 水産業 農林水産省 さかな