高齢化するホームレス—厚生労働省調査: 4割が「今のままの路上生活でいい」
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一度、ホームレスになり、その生活から抜け出すことができないまま高齢化していく人が多い。夏の暑さ、冬の寒さ、病気になったらどうするか…心配ごとも多いだろうが、「今のままの生活でいい」という人が全体の4割を占める。
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厚生労働省が5年に1度実施しているホームレスの生活実態調査で、60歳以上が全体の70%を占めた。このうち、70歳以上の割合は34.4%と、前回2016年調査の19.7%から15ポイント近く上昇。平均年齢は63.6歳と前回より2.1歳上昇し、高齢化が進んでいる。
調査は2021年11月、東京23区や政令市などのホームレス1300人に自治体職員らが個別面接を実施、1169人から回答を得た。内訳は男性95.8%、女性4.2%。(記事では「全体」の数字について言及する。女性は人数が少ないため、ぶれが大きいことに注意が必要である)
初めて路上生活してからの期間が10年以上の人が全体の56.3%。20年以上の人が25.1%を占めた。
寝ている場所は「公園」が27.4%で最も多く、「河川」24.8%が続いた。
現在、収入のある仕事をしている人は560人で全体の47.9%だったが、ほぼ8割は月の収入が10万円未満だった。最も多いのが「5~10万円未満」29.3%で、「3~5万円未満」26.3%が続いた。20万円以上の収入を得ている人も2.5%いた。
今後の生活について、就職してアパートに住む、寮付きの仕事に就くなど「仕事して自活」を望んでいる人は19.3%にとどまり、「今のままの路上(野宿)生活でいい」と答えた人は、2倍の39.9%だった。「家族の元に戻りたい」という人はわずか0.9%だった。
バナー写真 : PIXTA