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海外で続く日本茶ブーム―輸出は過去最高:2022年の八十八夜は5月2日

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新茶の季節がやって来た。国内の生産は緩やかに減少する一方、海外での緑茶人気は高く、2021年の輸出は過去最高を更新した。22年の八十八夜は5月2日。いつものペットボトル緑茶の代わりに、リーフで新茶の香りとうま味を楽しんでみてはいかが。

国内生産は減少傾向

お茶の栽培面積は緩やかに減少しており、2021年は全国で3万8000ヘクタール。20年は新型コロナウイルス感染症の拡大による需要の減少を見越して大幅に減産したため、7万トンにとどまったが、09年以降は8万トン前後で推移している。

主産県のトップ3は静岡、鹿児島、三重

主要産地は静岡、鹿児島、三重、京都、福岡で、上位3県で全国の栽培面積の7割を占める。産地では特色のある生産が行われており、静岡、鹿児島は新芽を蒸した後に、もんで乾燥させる「煎茶」、三重、福岡は収穫前に1週間程度、わらや寒冷紗(かんれいしゃ)などで被覆栽培をしてから煎茶と同様に製造する「かぶせ茶」、京都は棚を用いて収穫前に20日前後、わらや寒冷紗などで被覆して、煎茶と同様に製造する「玉露」や抹茶の生産が盛んだ。

海外で緑茶の消費が拡大

国内では生産が縮小しているが、海外での緑茶人気は好調だ。2021年の輸出額は204億1824万円(前年比26.1%増)と、2年連続で過去最高を更新した。新型コロナ感染拡大による巣ごもり需要や経済活動が徐々に回復してきたことによる外食需要の増加などが、輸出を押し上げたとみられる。

輸出額の6割は粉末状の緑茶

最大の輸出国は米国で、103億90万円(同22.1%増)と全体の半分を占めた。2位はドイツで20億円2104万円(同73.9%増)、3位は台湾17億319万円(同9.9%増)だった。

米国では抹茶を含む「粉末状」が輸出額全体の75%を占め、英国を除くEUや台湾では、リーフ茶が含まれる「その他」が多かった。国や地域によって好みは異なっているものの、抹茶ラテやお菓子などの抹茶ブームが続いていることを裏付けた。キロ当たりの輸出単価は、粉末状が4411円、その他は2244円で、粉末状は約2倍高かった。

形状別の緑茶輸出実績(2021年)

輸出額(百万円)
粉末状 その他 合計
米国 7,685 2,616 10,301
(75%) (25%)
EU 1,807 1,294 3,101
(58%) (42%)
台湾 506 1,197 1,703
(30%) (70%)
世界計 13,338 7,081 20,418
(65%) (35%)

出所:財務省貿易統計
*かっこ内は形状別の割合

バナー写真:PIXTA

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