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公立図書館97.3%がコロナで一時閉館を経験:期間は平均65日―21年実施の全国調査

文化 社会

国立国会図書館が実施した全国調査によると、新型コロナウイルス感染拡大の影響で公立図書館のほとんどがこれまでに一度は閉館を余儀なくされ、その平均日数は65日だった。

調査は、新型コロナウイルス感染症への対応状況を把握するために2021年5月から7月にかけて実施。全国の公立図書館約3300館のうち、その約6割にあたる計2022館(都道府県立53館、市区町村立の1969館)からの回答を分析した。97.3%(1967館)が少なくとも一度は閉館したことがあり、その平均日数は65日。最も短かったのは2日だった。

開館時の感染拡大防止策の実施状況をみると、市区町村立では「入り口等への消毒液の設置」(実施率99.3%)、「カウンターへの仕切りの設置」(98.8%)、「マスク着用要請」(97.5%)、「共用設備の消毒強化」(96.9%)などが多かった。

都道府県立では「カウンターへの仕切り」、「入り口等への消毒液」、「マスク着用」の3項目の実施率が100%で、以下、「共用設備の消毒」(98.1%)、「座席の間引き」(96.2%)、「列間隔の目安(フロアマーカーなど)の設置」(同)などが続いた。

また、各自治体における基幹の図書館(中央館)1036館について、非来館型の郵送・宅配貸出サービスの実施率の変化を分析したところ、全利用者対象の「郵送貸出」は、「20年1月以前から実施」が市区町村立で4.4%、都道府県立で21.3%だったのが、21年6月時点ではそれぞれ8.8%、31.9%に増加した。

郵送・宅配サービスの実施率(2021年6月現在)

都道府県立中央館(47館) 市区町村立中央館(989館)
郵送貸出(全利用者対象) 31.9 (21.3) 8.8 (4.4)
郵送貸出(来館困難者のみ) 59.6 (59.6) 24.7 (22.8)
宅配貸出(全利用者対象) 0 (0) 2.1 (0.7)
宅配貸出(来館困難者のみ) 0 (0) 16.9 (15.1)
上記以外の郵送・宅配サービス 12.8 (8.5) 10 (8.1)

(カッコ内の数字はコロナ以前の20年1月以前、国立国会図書館調べ)

インターネットを活用した質問回答型レファレンスサービスの実施率の変化をみると、「オンラインでの問い合わせフォームの活用による質問回答」は、「20年1月以前から実施」が市区町村立で21.8%、都道府県立で93.6%だったのが、21年6月時点ではそれぞれ24.1%と95.7%に増えた。

バナー写真:開館準備で、消毒や座席間隔確保などの作業をする東京都立中央図書館(港区)の職員=2020年5月27日(時事)

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