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「先生が足りない」:21年4月時点で2558人―文科省が初の実態調査

教育 社会

全国の公立小中高校などで2021年度、計画通りに教員が配置されず、欠員が生じる「教員不足」が2558人に上ったことが、文部科学省の初の実態調査で分かった。

調査は68の都道府県、政令指定都市の教育委員会などで実施。2021年4月の始業日時点で、対象3万2903校について「教員不足」があったかどうかを確認した。結果は、定数83万6079人のうち、0.31%に当たる2558人が欠員となっていた。不足が生じた学校数は、全体の5.8%に当たる1897校に及んだ。

学校種別の不足率をみると、小学校が0.32%、中学校が0.40%、高校が0.14%、特別支援学校が0.32%。不足が生じている学校の割合は、特別支援学校が13.1%(142校)と最も高く、以下、中学校の7.0%(649校)、小学校の4.9%(937校)、高校の4.8%(169校)の順だった。

教員不足の状況(2021年4月時点)

不足人数(割合) 不足が生じた学校数(割合)
小学校 1,218 (0.32%) 937 (4.9%)
中学校 868 (0.4%) 649 (7.0%)
高校 217 (0.14%) 169 (4.8%)
特別支援学校 255 (0.32%) 142 (13.1%)
合計 2,558 (0.31%) 1897 (5.8%)

(文部科学省調べ)

教師不足の背景としては、団塊世代の大量退職で教員の採用が増える一方、長時間労働を嫌う若い世代に教職志望者が減っていることが指摘されている。近年は、特に小中学校の教育現場の長時間勤務や多忙化が社会問題として注目を集めている。加えて、少子化の進行を見据えて各自治体は正規教員を積極的に採用せず、学校現場では身分の不安定な非正規教員が増える傾向にある。

文科省が同時期に公表した2021年度(2020年度実施)の公立学校教員採用選考試験の実施状況によると、小学校の競争率(採用倍率)が過去最低の2.6倍となり、ピークだった2000年の12.5倍から大幅に落ち込んだ。中学校は4.4倍、高校は6.6倍、特別支援学校は3.1倍で、いずれも2000年代のピーク時と比べて3~6割程度の水準となった。

バナー写真:PIXTA

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