
台湾が11年ぶりに5県産食品の輸入解禁 : 福島第1原発事故による各国の日本産食品の輸入規制
経済・ビジネス 政治・外交 社会
東日本大震災での福島第1原発事故後、日本産食品の輸入規制を導入したのは55カ国・地域に及ぶ。10年間で大半は緩和・撤廃されたが、東アジア地域を中心に、依然として日本産食品の規制が残る。そうした中、台湾が11年ぶりに福島など5県産食品の輸入解禁を決めた。
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台湾行政院は2月8日、同政府が東京電力福島第1原発事故後から続けている福島など5県産食品の輸入禁止措置をキノコなど一部の品目を除いて解除すると発表した。2021年9月に加盟申請した環太平洋経済連携協定(TPP)への加入に向け、日本との間の懸案を解消する狙いがあるとみられる。実施は2月下旬の見込み。
台湾はこれまで、福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県について酒類を除く全ての食品を輸入停止とし、5県以外については産地証明書の提示を求めていた。2020年12月18日の住民投票で、肥育促進剤を使った米国産などの豚肉禁輸案が否決されたことを契機に、日本産食品の禁輸撤廃の議論が活発化していた。
農林水産省によると、事故後に輸入規制を導入したのは55カ国・地域。10年間で大半は緩和・撤廃されたが、東アジア地域を中心に、日本産食品が忌避されている。
日本からの輸入停止を続ける4カ国・地域と対象食品(一部抜粋)
中国 | 福島、宮城、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、長野、新潟 | 全食品(新潟県産米を除く)、飼料 |
韓国 | 福島、青森、岩手、宮城、茨城、栃木、群馬、千葉 | 全ての水産物 |
福島 | ホウレンソウ、梅、ゆず、栗、キウイなど | |
香港 | 福島 | 野菜、果物、牛乳、乳飲料、粉乳 |
マカオ | 福島 | 野菜、果物、乳製品、食肉、食肉加工品、卵、水産物、水産加工品 |
農林水産省の公表データを参考に作成
バナー写真 : PIXTA