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低迷続く百貨店売上高 : 20年よりはまし、でも、コロナ禍前の2割減

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コロナ禍2年目の2021年は、withコロナの生活スタイルが少しずつ定着してきた。リモートワークが広がり、会社帰りにデパートに寄って買い物する機会は減り、仕事の合間に気楽にポチりとネット通販という人が増えているのかも。

日本百貨店協会のまとめで、2021年の全国百貨店の売上高は前年比5.8%増の4兆4182億円だった。コロナ禍元年の2020年は前年比25.7%減の4兆2204億円と、1975年(4兆651億円)以来45年ぶりの低水準だった。低い発射台からは “回復” したが、コロナ禍前の2019年比では21.5%減と苦戦が続く。繰り返される緊急事態宣言の発令で、時短営業を強いられ、客足の戻りも鈍い。インバウンド需要は消滅したままの状態が続いている。

商品別では、美術・宝飾・貴金属が前年比25.7%増と好調だったが、主力の衣料品、食料品はそれぞれ3.5%増、4.7%増と反発に力強さがなかった。

2020年と2021年をそれぞれコロナ禍前の2019年同月と比較すると、2020年3~5月のような激しい落ち込みがなかった分、2021年はましだったと言えそうだ。21年10月以降、緊急事態宣言が解除され、感染者数も抑制されていたことから、売り上げは回復基調にあったが、年明けからのオミクロン株の猛威で、2022年も視界不良な状態が続く。

百貨店の売上高は、バブル経済末期の91年に9兆7130億円を記録。バブル崩壊後のデフレ経済下では消費者の節約志向が強まり、売上高は漸減。2000年以降は、世界的なファストファッションブームやインターネット通販の台頭で百貨店離れがじわじわと進んでいたところに、コロナ禍に襲われた。

バナー写真 : 緊急事態宣言が出ていない時期も、客足が戻らず時短営業していた高島屋新宿店(2021年3月撮影、時事)

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