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未就学児を持つ父親の36%は1日の家事・育児参加10分!?―成育医療研究センター 分析 

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流行語大賞の候補となり、政党の公約に盛り込まれるほどに “ジェンダー平等” という言葉をしばしば耳にするようになったけれど…。未就学の子どもを持つ父親の1日の生活時間を分析すると、家事・育児時間に充てる時間はごくごくわずか。「女性が社会で活躍するために」というよりも、「男性が親としての役割を十分に果たすために」、ジェンダー平等を進めるべきでは?

国立成育医療研究センターの研究班が、総務省の2016年「社会生活基本調査」から無作為に抽出した17万6285人のデータから、「夫婦と子ども世帯で、末子が未就学の就業中の男性」のデータ3755人分を分析した。

仕事関連時間(仕事+通勤)が「12時間以上」の人が家事・育児に充てている時間はわずか10分。仕事関連「10~11時間」でも、家事・育児は40分にとどまった。

父親の仕事関連時間の分布(円グラフ)と合わせてみると、父親の7割が、1日のうちせいぜい30~40分しか家事・育児に参加していないことになる。

研究班は、24時間のうち睡眠や食事などに必要なのは10時間、休息などは2時間と設定すると、家事・育児に2時間半を確保するには、仕事関連時間を9時間半以内にする必要とした。その上で、「父親への意識啓発だけでなく、働き方改革やリモートワークなどによる通勤時間の短縮、定時退社の推奨など、社会や企業の理解も不可欠」としている。

写真 : PIXTA

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