
診療所の倒産が1.8倍に急増―帝国データ調査 : コロナ支援策の効果も弱まる?
経済・ビジネス 社会 健康・医療
コロナ禍で受診控えによる患者減少や、感染者増加による労働環境の悪化など、医療機関にとっては苦しい経営状況が続いている。一般企業同様に、公的な支援によって倒産は抑制状態にあったが…。
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帝国データバンクの調査で、2021年の負債総額1000万円以上の医療機関の倒産は33件だった。業態別では病院(病床数20以上)1件、診療所(病床数20未満)22件、歯科医院10件。このうち新型コロナの感染拡大が主因または一要因となった新型コロナウイルス関連倒産は15件だった。
病院は2000年以降最少、診療所は2009年の27件に次ぐ高水準で、前年比1.8倍に急増している。診療所は、病院と比べて経営規模が小さく、もともと経営者の高齢化や休廃業の増加が進んでいたことが背景にあるという。
2017年に25件だった医療機関の倒産は、18年に40件、19年には45件を記録し、20年も高水準で推移する可能性が高いとみられていた。しかし、一般企業と同様、コロナ対策の緊急融資や既存融資のリスケジュールなどの支援を受けた事業者が相当数存在し、2020年以降の倒産は抑制状態にある。
ただ、帝国データバンクには「断続的に給与・賞与の遅配、従業員の退職、支払い遅延といった信用不安情報が寄せられている」とし、コロナ支援による倒産抑制効果が弱まっている印象があると指摘。感染拡大第6波が経営に大きな影響をもたらす可能性があるとしている。
バナー写真 : PIXTA