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2022年は寅年! : 虎にまつわるあれこれを

文化 歴史

2022年の干支(えと)は壬寅(みずのえとら)。干支はもともと、古代中国の思想・陰陽五行説から発生したもので、本来は十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)の組み合わせだが、現代の日本では、十干に言及されることは少ない。動物と結びついた十二支は年賀状のイラストやその年を象徴するキャラクターとして使われることも多く、小さな子どもにまで定着している。寅年にちなみ、虎にまつわるあれこれを。

寅の方角、寅の刻

干支は、年、月、日、時間、方位などを示すためにも使われる。「子」から始まり時計回りに12等分すると、寅は東から30度の方角(東北東)。時代劇などでしばしば耳にする「丑寅(うしとら)」の方角(北東)は、丑と寅の中間点で、陰陽道の鬼門とされる。

寅の刻は、午前4時を中心とする前後2時間。

虎の慣用句

虎は「力」「権威」の象徴。≪虎の威を借る狐≫は他人の権威をかさにきて威張り散らす小者。権力を持つ人を怒らせるようなことをするのは≪虎の尾を踏む≫という。

手放せない大切なもの、秘蔵の品を≪虎の子≫と言うのは、母虎が愛情深く、大切に子育てすることにちなむ。価値あるものを手に入れたいのであれば、≪虎穴に入らずんば虎児を得ず≫。危険を冒す覚悟も必要なのだ。

虎は象の群れから逃れるため、竹やぶに身を潜めたとの言い伝えから、水墨画や屏風絵などで「虎と笹」はセットで描かれることが多い。「ささ」と読むこともある「酒」と笹とを掛けて、酔っぱらうことを≪虎になる≫、泥酔している人を≪大虎≫と表現する。

文・武・竜・虎・豹・犬の六巻からなる古代中国の兵法書「六韜(りくとう)」の中でも、「虎韜の巻」に兵法の奥義が記されていたことから、秘伝書を≪虎の巻≫と呼ぶ。そこから転じて、講義などの種本や授業を理解するための参考書のようなものを指すこともある。

江戸城の西を守った虎ノ門

霞が関の官庁街に隣接し、再開発で次々と最先端のオフィスビルが誕生している港区≪虎ノ門≫。もともとは、江戸城の外堀にあった門の名前。四方に青龍・白虎・朱雀・玄武の獣神を配する四神思想に基づき、西を守る虎の名を付けたとの説が有力のようだ。

門は明治維新後に撤去されたが、門跡の一部が文部科学省脇に残っている。

文部科学省構内に残る、江戸城外堀の石垣(PIXTA)
文部科学省構内に残る、江戸城外堀の石垣(PIXTA)

寅年の人口についての記事はこちら!

バナー写真 : PIXTA

虎ノ門 十二支