民間給与、2年連続で減少―国税庁調査 : 問題は30年前から変わらない水準
経済・ビジネス 社会 仕事・労働
コロナ禍に見舞われて賞与が大幅に減少し、民間平均給与は2年連続のマイナス。しかし、それ以上に深刻なのは、30年間足踏みが続いていること。岸田文雄首相は、自民党総裁選を戦う際に「令和版所得倍増計画」を掲げた。30年前の水準を超えられる日は遠くない?
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国税庁の民間給与実態調査によると、民間企業で働く人が2020年の1年間に得た平均給与は前年比0.8%減の433万1000円で、2年連続で減少した。
内訳は給料・手当は0.7%増の368万5000円だったが、賞与の平均は64万6000円で、前年を8.1%下回った。新型コロナウイルスの感染拡大で休業や時短営業などに追い込まれた宿泊業や飲食業を中心に幅広い業種でボーナスが減り、全体を押し下げた。
景気の影響を受けやすい賞与の減少率は、リーマン・ショックの影響で前年比13.2%減となった09年に次ぐ水準だった。
正社員などの正規労働者とアルバイト・派遣社員などの非正規労働者の平均給与の差は319万5000円。男性と女性の平均給与の差は239万6000円で、いずれにも大きな格差が存在する。
平均給与は09年に大きく落ち込んだ後、緩やかに回復し、18年になんとかリーマン前の水準に戻った。しかし、30年の長期統計でみると、いまだ90年代後半の水準にも届いていない。
正規・非正規、女性・男性の平均給与格差
正規 | 495.7万円 | 女性 | 292.6万円 |
非正規 | 176.2万円 | 男性 | 532.2万円 |
出所 : 国税庁
バナー写真 : PIXTA