屏風(びょうぶ)の数え方 : 知っていると教養人っぽい!?
文化 歴史 美術・アート
「一■の屏風が、宴席に華やかさを添えた」――さて、■に入る漢字はなんでしょう。「枚」でも「個」でもありません。知らなくても生きていけるけれど、知っているとちょっと使ってみたくなる。
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屏風(びょうぶ)の「屏」は「おおって防ぐ」「さえぎる」などの意味。もともとは、風をさえぎり、外からの視線を避けるための道具だったが、平安時代の頃から屏風に絵を描くことで、芸術的な価値のある調度品として発展した。
現代の一般家庭には無縁の存在だが、高級な旅館に泊まったり、ホテルの宴会場などでは目にすることも。うっかり「素晴らしい屏風が2枚飾ってありました」などと言って恥をかかないための基礎知識。
屏風は「扇(せん)」と呼ばれる縦長の画面を6枚つなぎ合わせた「六曲屏風」が基本形。右側が「第一扇」で、左へと視線を動かすことを想定して描かれている。「二曲」「四曲」「八曲」と画面の数にはバリエーションがある。
屏風を数える単位は「隻(せき)」。ちなみに「隻」は単数を示す助詞で、「隻眼の武将・伊達政宗」のように、「本来は対であったものの片側」を指す言葉。
六曲一隻
「二隻」の屏風で一組になっているものを「一双(いっそう)」という。
江戸時代初期に俵屋宗達(たわらや・そうたつ)が描いた「風神雷神図」は、最も有名な屏風絵と言っていいだろう。向かって右の「右隻(うせき)=風神」から「左隻(させき)=雷神」へと視線を動かして鑑賞する。
二曲一双
バナー写真 :PIXTA