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豪雨、猛暑日が近年大幅に増加:7月は要警戒

社会

今年も静岡県熱海市で発生した土石流で甚大な被害が出るなど、7月には豪雨災害が多発する。梅雨が明けると熱中症への懸念が高まる。気象庁の観測データによると、実際に降水量、気温ともにここ数十年で大きく上昇している。

同庁がまとめた全国の1時間降水量50ミリ以上の発生回数を見ると、最近10年間(2011~20年)の平均年間発生回数は約334回で、統計期間の最初の10年間(1976~85年)の約226回と比べて5割近く増えている。日降水量(24時間)の歴代全国ランキングをみても、神奈川県箱根の922.5ミリ(2019年10月12日)を筆頭に、2000年前後以降の記録が上位に多く入っている。

日降水量(24時間・ミリ)の歴代全国ランキング

1 神奈川県箱根 922.5 2019年10月12日
2 高知県魚梁瀬(馬路村) 851.5 2011年7月19日
3 奈良県日出岳(上北山村) 844 1982年8月1日
4 三重県尾鷲 806 1968年9月26日
5 香川県内海(小豆島町) 790 1976年9月11日
6 沖縄県与那国島 765 2008年9月13日
7 三重県宮川(大台町) 764 2011年7月19日
8 愛媛県成就社(西条市) 757 2005年9月6日
9 高知県繁藤(香美市) 735 1998年9月24日
10 徳島県剣山 726 1976年9月11日

(各地点の観測史上1位の値を使用。気象庁HPより作成)

とりわけ7月は、西日本から東日本、東北地方の広い範囲で河川の氾濫を引き起こした20年の「令和2年7月豪雨」や、西日本を中心に全国的に記録的な大雨を記録した18年の「平成30年7月豪雨」をはじめ、ここ数年だけをみても大規模な集中豪雨の発生が目立つ。

一方、最高気温35度以上の猛暑日の日数を見ると、全国13地点の最近30年間(1991~2020年)の平均年間日数は約2.5日で、統計期間の最初の30年間(1910年~39年)に記録した約0.8日と比べて3倍以上に増えている。最高気温の歴代全国ランキングは、2020年8月17日に静岡県浜松市、2018年7月23日に埼玉県熊谷市でそれぞれ記録した41.1度が最高で、以下、8位まで2000年以降の記録がずらりと並んでいる。

最高気温の歴代全国ランキング上位10地点

1 静岡県浜松 41.1 2020年8月17日
1 埼玉県熊谷 41.1 2018年7月23日
3 岐阜県美濃 41.0 2018年8月8日
3 岐阜県金山(下呂市) 41.0 2018年8月6日
3 高知県江川崎(四万十市) 41.0 2013年8月12日
6 静岡県天竜(浜松市) 40.9 2020年8月16日
6 岐阜県多治見 40.9 2007年8月16日
8 新潟県中条(胎内市) 40.8 2018年8月23日
8 東京都青梅 40.8 2018年7月23日
8 山形県山形 40.8 1933年7月23日

各地点の観測史上1位の値を使用
(気象庁HPより作成)

これとは対象的に、冬の最低気温のランキングでは、1位の北海道上川地方のマイナス41.0度(1902年1月25日)、2位の北海道帯広市のマイナス38.2度(1902年1月26日)など、上位10位までがすべて20世紀中の記録となっている。

バナー写真:土砂の撤去が進む国道135号線の逢初橋周辺。左奥はJR東海道線=2021年7月7日午後、静岡県熱海市(時事)

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