Japan Data

「子供生み育てやすい国と思わない」との回答、日本6割、独仏2割

社会

内閣府が2021年3月に公表した「少子化社会に関する国際意識調査」によると、「子供を生み育てやすい国だと思うか」との質問に対し、日本では「そう思わない」と答えた人が6割に達した。欧州各国では2~17%だった。

調査は5年ごとに実施。今回は2020年10月から21年1月にかけて、日本、フランス、ドイツ、スウェーデンの20~49歳の男女を対象に行われ、4カ国それぞれ約1000人ずつの計約4400人から回答を得た。

「(自分の国が)子供を生み育てやすい国だと思うか」との質問に対し、「とてもそう思う」「どちらかといえばそう思う」とした回答の割合は、スウェーデンが97.1%と最も高く、フランスは82.0%、ドイツは77.0%。これに対し、日本は38.3%にとどまった。「全くそう思わない」「どちらかといえばそう思わない」とする回答は、日本は61.1%、ドイツが22.8%、フランスが17.6%、スウェーデンが2.1%だった。

日本の結果を過去の結果と比較すると、「そう思う」の割合は10年が52.6%、15年が46.6%となっており、10年間で10ポイント以上下落している。「そう思わない」の割合は、10年は45.4%、15年は52.0%だった。

各国の「子供を生み育てやすい国だと思う」と答えた理由をみると、日本では「地域の治安がいいから」との回答が最高の52.0%だったのに対し、欧州の3国では「各種の保育サービスが充実しているから」や「妊娠から出産後までの母体医療・小児医療が充実しているから」との回答が5~7割の高い割合を占めた。

また、「小学校入学前の子供の育児における夫・妻の役割」を尋ねる質問では、「もっぱら妻が行う」と「主に妻が行うが、夫も手伝う」との回答の合計が日本では58.1%だったのに対し、フランスでは37.4%、ドイツでは35.1%、スウェーデンでは4.3%という結果となった。「妻も夫も同じように行う」との回答は、スウェーデン(94.5%)、ドイツ(62.7%)、フランス(60.9%)、日本(40.5%)の順で多かった。欧州の3カ国と比べると、日本ではなお妻が子育ての中心になっていることがうかがわれる。

バナー写真:PIXTA

子育て 少子化 内閣府