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上昇する高齢者の就業率:70~74歳で3割強に―2021年版高齢社会白書

社会

日本では70歳~74歳の高齢者の3人に1人、65~69歳の約半数が働いている。就業率はこの10年で10ポイント以上も増加した。

内閣府が公表した2021年版の高齢社会白書によると、20年の年齢階級別の就業率は、60~64歳が71.0%、65~69歳が49.6%、70~74歳が32.5%、いずれも10年前と比べ、10ポイント以上の大幅増加となった。

男女別にみると、男性の就業者の割合は、55~59歳で91.3%、60~64歳で82.6%、65~69歳で60.0%に上った。60歳を過ぎても就業する人が多く、就労意欲も高いことがうかがえる。女性は55~59歳で72.8%、60~64歳で59.7%、65~69歳で39.9%。70~74歳の男性の就業者の割合は41.3%、女性の就業者の割合は24.7%だった。

20年の労働力人口(15歳以上人口のうち、就業者と完全失業者を合わせた数)の総数6868万人のうち、65~69歳の人は424万人、70歳以上の人は498万人におよんだ。総数に占める65歳以上の割合は13.4%。近年の急速な高齢化に伴い、25年前(6.7%)の2倍となった。

日本の65歳以上の高齢者数は、20年9月現在(推計)3617万人で、総人口(1億2586万人)の28.7%に達している。

高齢社会白書は、20年度に行った高齢者(60歳以上)の生活と意識に関する「国際比較調査」の結果を紹介している。それによると、日本の高齢者の40.2%が「収入を伴う仕事をしたい(続けたい)と答えたのに対し、米国は29.9%、ドイツは28.1%、スウェーデンは26.6%。欧米諸国に比べて「生活に迫られて」という側面があるのかもしれないが、日本の高齢者の就労意欲の高さが際立っている。

バナー写真:PIXTA

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