20年の出生数84万人、5年連続過去最少 : 婚姻数12%減で戦後最少
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人と人が密に接することを阻むウイルス。出会わない、結婚しない、子どもを産まないように人類を追い込む手口の巧妙さを思い知らされる。
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厚生労働省が発表した人口動態統計(概数)によると、2020年に生まれた赤ちゃんの数(出生数)は、前年より2万4407人少ない84万832人だった。1人の女性が生涯に産む子どもの数にあたる合計特殊出生率は、前年より0.02少ない1.34となった。
日本の人口動態
2020年(概数) | 2019年(確定) | |
---|---|---|
出生数(人) | 84万0832 | 86万5239 |
合計特殊出生率 | 1.34 | 1.36 |
死亡数(人) | 137万2648 | 138万2094 |
自然増減(人) | ▲53万1816 | ▲51万5854 |
婚姻数(件) | 52万5490 | 59万9007 |
離婚数(件) | 19万3251 | 20万8496 |
厚生労働省の人口動態統計をもとに編集部作成
年間の死亡数は137万2648人と、11年ぶりに減少に転じた。新型コロナ肺炎の流行以降、マスク着用、手洗い励行、密の回避が生活習慣として定着したことで、インフルエンザや呼吸器疾患での死亡者が減少した。人口の自然減(出生数と死亡数の差)はこれまで最大の53万1816人となった。
日本の出生数は終戦直後の第1次ベビーブーム(1947~49年)には250万人、第2次ベビーブーム(71~74年)には200万人を超えた。その後は一貫して減り続け、第2次ベビーブーム世代の出産ブームも起こらぬままに、2007年には自然減の幅が拡大している。
婚姻数は前年よりも7万3517組(12.3%)の大幅な減少となり、戦後最少を記録。さらに、感染への不安や里帰り出産が難しいことを懸念した妊娠を控える動きが広がり、2020年の妊娠届数は前年比4.8%減の87万2227件だった。このため、少子化はさらに加速し、21年の出生数は80万人を割り込むとの見方も出ている。
バナー写真 : PIXTA