少年法改正、当事者世代は「なんとなく知っている」だけ―日本財団・18歳意識調査 : 実名報道解禁43%が賛成
社会 家族・家庭 教育
2022年4月の改正民法施行で成人年齢が18歳に引き下げられることに合わせた少年法の改正案が、21年通常国会で審議中だ。改正案が可決・成立すれば、現行では「18歳の無職少年A」としか報じられなかった人を、実名で報じることも可能になる。この事実、当事者世代は「なんとなく」しか知らないようだ。
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2022年4月からの改正民法施行で成人年齢が18歳に引き下げられる。21年通常国会で審議中の少年法改正案では、18歳、19歳を「特定少年」と定義し、17歳以下とは区別。20歳以上の人と同様の刑事手続きを取る対象犯罪を拡大するほか、起訴された段階で、現行法で禁止されている実名報道も可能とした。
日本財団が少年法改正の “当事者世代” に当たる17~19歳1000人を対象に3月に実施した「18歳意識調査」では、法改正について「よく知っている」と答えたのはわずか14.6%。半数近い45.6%は「なんとなく知っている」に過ぎず、39.8%は「知らなかった」。
改正案では、家庭裁判所が検察官に逆送致する事件の対象を拡大し、強盗や強制性交、放火などの罪を犯した場合にも刑事裁判の対象となる。このことについては58.2%が賛成と回答。その理由として最も多かったのが、「特定少年であっても社会的責任を負う必要がある」(賛成者の55.0%)だった。
実名報道が解禁されることについては賛成43.3%、反対18.8%だった。賛成の人の半数が「自分の責任を自覚させる効果がある」を理由として挙げた。反対の人は「SNSなどを通じて虚偽情報や犯人捜しがひとり歩きする恐れが大きい」ことを懸念している。
バナー写真 : PIXTA