火山とサンゴ礁の神秘の島々、トカラ列島 : 世界遺産の仮面神・ボゼ
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トカラ(吐噶喇)列島は鹿児島県十島(としま)村の別名。屋久島と奄美大島を結ぶ南北約160キロメートルのほぼ一直線状に有人島7島と無人島5島が点在する。その名の由来は、沖縄・奄美地方で沖の海原を意味する「トハラ」とも、アイヌ語の乳房を意味する「トカプ」とも、「宝島」の「タカラ」から派生したとも言われるが、定説はない。
琉球文化と大和文化の双方の影響を受け、壇之浦の合戦で源氏に敗北した平家の一部がトカラ列島に逃げ落ちたといわれ、源氏の追っ手を見張った番所後や洞窟も残っている。
口之島
トカラ列島最北端。鹿児島港を出航した村営船「フェリーとしま」が最初に到着する十島村の玄関口。同じ鹿児島県内なのに、鹿児島港から口之島までの所要時間は6時間15分。十島村が絶海の孤島と呼ばれるゆえんである。
島の中央部にそびえる前岳山麓に広がる原生林からセランマ温泉にかけて、野生の純血種の黒毛和牛が生息する。
中之島
面積、人口ともに十島村で最大の島。島の中北部にそびえるトカラ列島最高峰の御岳(おたけ / 979メートル)は美しく均整のとれた山容で、「トカラ富士」と呼ばれる。
諏訪之瀬島
御岳(799メートル)は過去に噴火を繰り返し、今も活発に噴煙をあげる。1813年の大噴火後に無人島となった時期もあったが、明治期、奄美大島からの入植者が開拓し、再び、人の住む島となった。
平島
トカラに平家の落人が最初に流れ着いた地とも伝えられる。「平家の穴」と呼ばれる平家伝説ゆかりの洞窟や、追っ手を監視する望楼の名残とも言われる史跡も残されている。
悪石島
神々の集まる島として広く知られる。盆踊りの最終日(旧暦7月16日)に現れる「仮面神ボゼ」は、2018年にユネスコの世界無形文化遺産に登録された「仮面・仮装の神々」の構成資産の一つ。赤土を塗った棒で人々の邪気をはらうという。
子宝島
隆起サンゴ礁でできた周囲約4キロメートルの、亜熱帯情緒あふれる小さな島。立神と呼ばれる多くの奇岩が海岸線にそびえ立つ。
宝島
トカラ列島の有人島最南端。隆起したサンゴ礁でできたハート形の島。その名の通り、昔、イギリスの海賊が財宝を隠したという言い伝えもある。サンゴ礁に囲まれた海の青と白い砂浜のコントラストが美しい。
バナー写真 : 宝島イマキラ岳(PIXTA)