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2020年の難民認定 わずか47人:申請者は新型コロナの影響で前年比6割減

社会 国際

出入国在留管理庁の発表によると、2020年に日本で難民認定を受けた外国人は前年比3人増の47人にとどまった。認定率はわずか1.2%。最大で年数万人の規模の難民を受け入れてきた欧米主要国とは、なお大きな隔たりがある。

近年における日本の難民認定申請数、認定者数などの推移は下表の通り。

難民認定申請者と認定者数などの推移

申請者数 認定者数 人道的配慮による在留許可者
2010 1202 39 363
2011 1867 21 248
2012 2545 18 112
2013 3260 6 151
2014 5000 11 110
2015 7586 27 79
2016 10901 28 97
2017 19629 20 45
2018 10493 42 40
2019 10375 44 37
2020 3936 47 44

(法務省まとめ)

2020年に難民認定を申請した外国人は3936人で、前年(1万375人)に比べ6割以上減少した。新型コロナウイルスの感染拡大で、入国者自体が激減したことが背景にあるとみられる。

申請者の国籍は計67カ国。国籍別でみると、最多はトルコの836人(前年比37.2%減)で、以下、ミャンマーの602人(同23.6%減)、ネパールの466人(62.9%減)、カンボジアの414人(68.7%減)、スリランカの370人(75.8%減)、パキスタンの326人(66.4%減)など。

さまざまな保護施策が決められている「難民」とは認定しなかったものの、人道的な配慮を理由に「特別在留許可」を得た人は44人いた。このうち、本国の情勢などを踏まえて在留が認められた人は19人、日本人と結婚して日本人の実子を養育しているなどの事情から在留が認められた人は25人となっている。

NPO法人「難民支援協会」(本部・東京)が作成した統計によると、2019年の難民認定数は、日本が44人で認定率が0.4%だったのに対し、ドイツは5万3973人で認定率25.9%、米国が4万4614人で同29.6%、フランスが3万51人で同18.5%、カナダが2万7168人で同55.7%などとなっており、欧米と比べて日本の少なさが際立っている。

バナー写真:難民支援協会が2018年3月に東京で開催した就職支援セミナーの様子(AFP=時事)

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