コロナ禍入社の新入社員は例年よりもイキイキ? : 上司や先輩に会わず気疲れ軽減
仕事・労働 経済・ビジネス 医療・健康 社会
2020年の春は新型コロナウイルスの感染拡大第1波で、企業の入社式は軒並み中止となり、オンラインの新人研修からそのままリモートワークに突入した会社も多かった。上司や先輩、同期入社の仲間と会うことができず、新人諸君はさぞや寂しく心細い思いをしていたのかと思いきや…意外にのびのびいるらしい。
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リクルートマネジメントソリューションズ(本社東京)が2015年4月から2021年2月に取得した2万3000人分のデータを基に、各年の新入社員の入社後のコンディションを分析した。
コンディションは、新入社員のモチベーションと負担感に関する調査の自己申告を総合判定し、良好な順に「イキイキ」「イキイキ(要注意)」「モヤモヤ」「ギリギリ」「ヘトヘト」の5段階に分類。
入社から1年間のコンディション推移(調査した6年間平均)を見ると、入社直後は希望にあふれてイキイとしていた新入社員が大勢を占めるが、年度の後半になると徐々にイキイキ度合が減っていくことが見てとれる。
コンディションの推移を年度間で比較すると、2015年度から19年度までの5年間は、ほぼ同じ軌跡で徐々にコンディションが良好な社員の割合が減少していた。
ところが、20年度は例年に比べて、良好を維持する割合が高く、「ヘトヘト」「ギリギリ」に追い詰められている人は極めて少ない。2月度で比較すると、「イキイキ」「イキイキ(要注意)」の合計は85.6%と過去最高だった。デジタルネイティブ世代はオンライン研修やリモートワークには難なく適応し、職場での人間関係で気疲れすることなく、良好なコンディションで新人1年目を過ごせたということか。
リクルートマネジメントソリューションズでは、「上司や同僚とあまり会わないことで、これまでにあった職場での気疲れが短期的には軽減しているが、従来よりもコミュニケーションが希薄になることで、成長実感を十分に得られないネガティブな影響もある。オフラインならではの経験が積めないことや、仕事で直接関わらない職場の人との関係構築が難しいという側面も考えられる」と指摘している。
バナー写真 : PIXTA