コロナ影響か?2020年の自殺、11年ぶりに増加 : 女性と子どもの増加目立つ
医療・健康 社会 家族・家庭- English
- 日本語
- 简体字
- 繁體字
- Français
- Español
- العربية
- Русский
2020年の全国の自殺者数は、19年より912人(4.5%)多い2万1081人だった。自殺者は10年連続で減少していたが、リーマン・ショック後の2009年以来、11年ぶりに前年を上回った。人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)も11年ぶりに増えて、16.7人となった。警察庁の自殺統計を基に、厚生労働省がまとめた。
男性は前年比23人減の1万4055人で11年連続の減少。一方、女性は同935人増の7026人と大幅に増えた。新型コロナウイルス感染者の拡大で生活環境の変化や、雇用など先行きへの不安が心理的な負担になっているとみられる。また、小中高生の自殺者数は499人で、統計のある1980年以来、最多だった。
月別の推移を見ると、年の前半は前年比マイナスで推移していたが、女性は6月、男性は8月から前年比プラスに転じ、10月は男女計で前年比691人増加の2230人だった。夏から秋にかけて著名人の自殺が相次いだことも影響した可能性がある。
都道府県別の自殺死亡率は、岩手22.7人、山梨22.4人が多く、京都13.7人、神奈川13.8人が少なかった。東京、大阪はいずれも16.0人だった。
年間の自殺者は97年までは長年2万人台で推移したが、98年から14年連続で3万人を超え、03年には最多の3万4427人になった。その後、景気回復や、相談体制の拡充をはじめとする地域の取り組み強化を背景に、10年連続で前年より減少していた。
厚生労働省では、「自殺はその多くが追い込まれた末の死であり、その多くが防ぐことができる社会的な問題」であるとして、保健、医療、福祉、教育、労働その他の関連施策と連携を図り、総合的な自殺対策を推進するとしている。「まもろうよこころ」のページには、LINEなどのSNSや電話で悩み事を相談できる窓口や、自殺対策の取り組みなどの情報を分かりやすくまとめている。
バナー写真: PIXTA