LGBT学生への支援:取り組み方針のある大学はわずか7%
社会 ジェンダー・性
全国の大学、短期大学、高等専門学校のうち、性的少数者(LGBT)の学生への支援方針を持っている学校は1割に満たないことが明らかになった。
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学生向けの奨学金事業、外国人留学生の支援事業を行う独立行政法人・日本学生支援機構は、大学などで行われている学生支援の取り組み状況を調べている。2019年度の調査では、全国の大学、短期大学、高等専門学校の計1154校が回答した。
これによると、「LGBTへの対応について」全学的な方針を作成しているのは、大学が7.7%、短大が3.5%、高専では0.0%で、他の項目に比べ目立って少なかった。大学を設置者別に見ると、国立が17.4%で比較的多く、公立は5.4%、私立は6.6%だった。
大学で最も多かった具体的な支援策は、「多目的トイレの利用を案内している」(34.5%)。これに、「健康診断の受診においては、個別対応や他学生がいない時間帯にしている」(30.1%)、「授業や窓口対応における呼称は、当事者の要望に沿ったものを使用している」(26.2%)といった対策が続いた。
LGBT学生への対応実施割合(%)
大学 | 短大 | 高専 | |
---|---|---|---|
できる限り性別は無記載に | 20.8 | 12.4 | 10.5 |
自認する性に基づく通称名を使用 | 19.9 | 9.8 | 5.3 |
授業などで当事者の要望に沿った呼称を使用 | 26.2 | 14.0 | 8.8 |
多目的トイレの利用を案内 | 34.5 | 17.5 | 17.5 |
体育や課外活動などで男女別要素がある場合には、履修登録前に十分な告知を行う | 7.3 | 4.8 | 1.8 |
更衣室の使用について個別対応している | 16.0 | 9.5 | 8.8 |
健康診断の際には個別に配慮している | 30.1 | 14.9 | 5.3 |
その他 | 6.1 | 3.5 | 5.3 |
無回答 | 43.2 | 63.2 | 68.4 |
出所:日本学生支援機構2019年調査
LGBTに関する学生からの悩み相談について、増えていると答えたのは、大学で16.6%、短大で10.8%、高専で14.0%だった。一方、減っていると答えたのは順に、4.7%、3.8%、1.8%。把握していないと答えたのは順に、37.9%、49.2%、42.1%だった。
バナー写真:PIXTA