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20~30歳代の半数以上が一人鍋「したい」: 個食化浸透か

社会

日本の冬の定番料理と言えば「鍋」。湯気が立つ温かい鍋料理は多人数で食べるのが一般的だが、若者世代で「一人鍋」を好む人が最近増えていることが、民間会社のアンケート調査で分かった。

リクルートライフスタイルが編集する街の情報雑誌『HOT PEPPER』は、2020年冬の鍋事情をアンケート調査した。対象は全国の20~30歳代で、1044人(男性522人、女性522人)から回答を得た。

それによると、一人鍋を「したい」と回答したのは52.3%と半数を超えた。このうち、これまで一人鍋をしたことがなかった人は3分の1で、全体の17.6%だった。一方、しないと回答した人のうち、これまでに経験はあるが一転してしたいとは思わないと答えたのは、10.9%にとどまった。一人鍋を好む人が相対的に増加傾向にあることがうかがえる。

一人鍋をしたい理由の1位は、「他の人に気を遣わず自分のペースで楽しめるから」(68.3%)。「新型コロナウイルス感染症などの感染が気になるから」(18.5%)という時節柄の回答も一定数あった。

一人鍋をしたいと思う理由 上位5位

%
他の人に気を遣わず自分のペースで鍋料理を楽しめるから 68.3
気軽に作れるから 57.7
一人分の出汁などの商品も出てきているから 29.3
新型コロナウイルス感染症などの感染が気になるから 18.5
高めの食材でも一人分なら手ごろに食べられるから 9.7

情報誌HOT PEPPERの調査

一人鍋で食べたい鍋の種類は、キムチ鍋(182票)が他に圧倒的な差をつけてトップ。同誌が毎年、実施している「食べたい鍋」の調査ではすき焼きが9年連続1位となっているが、そのすき焼きは89票と2位だった。

すき焼きに倍以上の票差をつけてキムチ鍋が1位になったことについて、同社では「(キムチ鍋は)そもそも好みの分かれる味であることに加え、辛さを自身の好みでアレンジできるからだろう。一人鍋ならではの結果」と総括。新型コロナウイルスの影響が続いていることに触れ、「自宅、外食に限らず一人鍋を意識する人が増えるかもしれない」と分析している。

バナー写真:(ささざわ/PIXTA)

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