2019年の水害被害額は過去最大の2兆1500億円 : 東日本台風で被災建物8万棟
社会
2019年の水害被害額が、統計開始以来最大となる約2兆1500億円(暫定値)を記録した。近年、豪雨災害などが多発しており、19年も10月に発生した令和元年東日本台風(台風19号)が深刻な被害をもたらした。
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国土交通省がまとめた2019年の全国の水害(洪水、内水、高潮、津波、土石流、地すべりなど)による被害総額は2兆1500億円(暫定値)となった。津波以外の年間水害被害額としては、1961年の統計開始以来最大となった。
被害の内訳は、住宅や生活用品などの一般資産が1兆5939億円(74.2%)河川や道路など公共土木施設が5233億円(24.4%)、鉄道や水道などの公益事業が304億円(1.4%)だった。
このうち1兆8600億円は10月中旬に生じた令和元年東日本台風(台風19号)による被害で、単一の水害被害としては、平成30年7月豪雨(台風7号と梅雨前線)の1兆2150億円を上回り、過去最大。この台風では広範囲に記録的な大雨が降り、全国142カ所で堤防が決壊。死者・行方不明者87人、被災した建物が8万棟を超えるなど甚大な被害となった。
2019年の水害被害(暫定値)
被災建物(棟) | 浸水区域(ha) | ||
---|---|---|---|
全壊・流出 | 3376 | 宅地・その他 | 2万1937 |
半壊 | 1万7792 | 農地 | 5万8763 |
床上浸水 | 2万7509 | ||
床下浸水 | 5万0229 | ||
計 | 9万8906 | 計 | 8万0700 |
国土交通省まとめ
都道府県別で被害総額が多かったのは、福島県(6715億円)、栃木県(2546億円)、宮城県(2512億円)で、こちらもそれぞれ統計開始以降で最大。
2019年水害被害額の上位5県と被害額(億円)
1 | 福島県 | 6715 |
2 | 栃木県 | 2546 |
3 | 宮城県 | 2512 |
4 | 長野県 | 2135 |
5 | 埼玉県 | 1202 |
国土交通省まとめ
バナー写真:台風19号の大雨で千曲川が氾濫し、水につかった北陸新幹線の車両=2019年10月13日、長野市(時事)