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コロナ禍で在宅勤務、6割が「効率下がった」:日本生産性本部調査

経済・ビジネス

仕事の効率は下がったが、テレワークは今後も続けたい――。新型コロナウイルスの感染拡大をめぐる勤労者への意識調査で、こんな結果が浮かび上がった。

日本生産性本部が5月中旬に実施した新型コロナウイルスの感染拡大に関する勤労者の意識調査によると、時間や場所の制約を受けず、情報通信技術を利用して柔軟に働くテレワークの中心となる在宅勤務についての質問に対し、「効率が上がった」と回答した人が7.2%、「効率がやや上がった」と回答した人が26.6%となり、効率向上を実感したのは合わせて3割強にとどまった。

逆に効率が「やや下がった」との回答は41.4%、「下がった」との回答は24.8%となり、合わせて6割を超えた。一方で、在宅勤務の満足度については、「満足している」が18.8%、「どちらかと言えば満足している」が38.2%で、6割弱の人が多かれ少なかれ満足を感じている結果となった。

在宅勤務に関しての調査・回答

自宅での勤務で効率が上がったか(%)

上がった 7.2
やや上がった 26.6
やや下がった 41.4
下がった 24.8

自宅での勤務に満足しているか(%)

満足している 18.8
どちらかと言えば満足している 38.2
どちらかと言えば満足していない 30.7
満足していない 12.2

日本生産性本部調べ

調査は、政府が7都府県を対象に緊急事態宣言を出した4月7日からおおむね1カ月後の5月11日から13日にかけ、自営業者、家族従事者などを除く全国の20歳以上の雇用者1100人を対象に行われた。

感染拡大を受けて各企業がテレワーク導入を進める中、直近の1週間で週何日出勤したかを営業日ベースで尋ねたところ、「1~2日」が37.3%で最も多く、以下「0日」(32.1%)、「3~4日」(21.1%)、「5日以上」(9.5%)の順となった。0日から2日までの回答を合わせると約7割に達した。これは専門的・技術的な仕事、事務的な仕事といったホワイトカラー職種についている回答者の割合が高く、その分野で在宅勤務の実施率が高かったことが背景にあるとみられる。

また、コロナウイルスの感染拡大が収束した後も、テレワークを行いたいかどうか尋ねたところ、「そう思う」との回答が24.3%、「どちらかと言えばそう思う」との回答が38.4%となり、合わせて6割以上が継続に前向きな意向を示した。逆に「そう思わない」は10.4%、「どちらかと言えばそう思わない」は26.9%だった。

バナー写真:自宅でテレワークをする日立製作所の社員=2020年5月25日、川崎市[同社提供](時事)

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