新型コロナ対策で新規国債16.8兆円の追加発行 : 一段と遠のく財政再建
経済・ビジネス 政治・外交
100年に一度の危機を乗り越え、1000年に一度の大災害から立ち直ろうとしている時にやってきたコロナ・ショック。経済対策のための国債追加発行で、日本の財政状況はますます厳しくなる。
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新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による経済の落ち込みに対応するため、政府は108.2兆円の大型の経済対策を打ち出した。財源確保のため、2020年度補正予算(案)で16兆8057億円の新規国債を追加発行する。
これにより2020年度の新規国債発行額は49兆3619億円となり、リーマン・ショック後の経済対策で51兆9521億円まで膨らんだ09年度に迫る水準となった。一般会計の歳入に占める国債発行の割合(国債依存度)は、当初予算段階の31.7%から、41.3%に一気に跳ね上がる。今後、さらなる追加対策を打つ場合や、税収の減額補正があれば、依存度はさらに上昇することになるだろう。
経済活動が大きく制限される未曾有の危機に際して、感染拡大が落ち着いた後の経済再生は最優先課題の一つだ。しかし、財政状況が悪化する現実を受け止めておかなければ、次世代への負担の先送りがさらに膨張することになる。
【2020年度当初予算についての記事はこちら】
バナー写真 : PIXTA