写真ではなく、その場に行きたくなる!北海道の6つの国立公園
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① 利尻礼文サロベツ国立公園
山岳、海食崖、湿原、海岸砂丘など変化に富んだ景観を誇る日本最北の国立公園。利尻富士とも呼ばれる利尻山は美しい円錐形の山で、洋上の独立峰ならではの海をバックにした登山を楽しむことができる。
礼文島は、レブンアツモリソウなどの貴重な植物を含む高山植物のお花畑を低地で見ることができる。 島の西側は断崖や奇岩の続くダイナミックな海食崖地形も魅力だ。
サロベツ原野は、泥炭地の上に日本最大級の高層湿原が広がっており、ガンやカモなどの野鳥の渡りの重要な中継地にもなっている。
(指定:1974年9月20日 面積:2万4166ha)
② 知床国立公園
アイヌ語で「地の果て」を意味する「シリ・エトク」を語源とする知床は、日本の最東北端に位置する。火山活動や流氷などによって形成された険しく雄大な景観と、野生生物の豊かさに特徴づけられる。ヒグマやシャチなどの大型哺乳類や、絶滅の恐れがある大型の猛禽類も多く生息し、それらを頂点として、様々な野生動物が相互に関係しあう豊かな生態系と、これらを保全していくための管理体制が整っていることが評価され、2005年7月に世界自然遺産に登録された。
原生林の中に点在する幻想的な湖沼に、周囲の深い森や知床連山が投影する姿は、知床を代表する景観として人気だ(バナー写真参照)。
(指定:1964年6月1日 面積:3万8636ha)
③ 阿寒摩周国立公園
千島火山帯の活動によってできた阿寒・屈斜路・摩周の3つのカルデラ地形を中心する公園。火山と湖とのペアが狭い範囲でいくつも近接している地形は、全国的にも貴重と言われる。公園区域の大部分が亜寒帯性の針葉樹林を中心とする天然林に被われ、国立公園の中でも原始的な姿を有する。
阿寒地域では、悠然とそびえる雄阿寒岳・雌阿寒岳やその周辺に広がる阿寒湖、オンネトーなどの湖沼の美しい景色が見どころ。摩周地域では、世界有数の透明度を誇る摩周湖や、周囲の峠や山から一望できる屈斜路湖、季節ごとに変化する森林の景色が見どころ。
(指定:1934年12月4日 面積:9万1413ha)
④ 釧路湿原国立公園
北海道東部を流れる釧路川とその支流を抱く日本最大の釧路湿原と湿原を取り囲む丘陵地からなる。国の特別天然記念物のタンチョウをはじめ多くの動植物の貴重な生息地となっている。
明治以降、開拓が困難な役にたたない土地と考えられていたが、戦後の食料不足による農地開発や市街地開発及び丘陵地伐採などにより、湿原面積の減少や乾燥化が進んだ。それに対し地元の研究者や自然保護団体が、湿原の価値を見直すための運動を続けた結果、1980年に日本で最初のラムサール条約登録湿地となり、7年後には国立公園に指定された。
(指定:1987年7月31日 面積:2万8788ha)
⑤ 大雪山国立公園
道中央部に位置し、北海道最高峰の旭岳(2291m)を主峰とする大雪火山群を中心に、トムラウシ山から十勝岳連峰、石狩岳連峰などの壮大な山々や、北海道を代表する石狩川と十勝川の源流地域を含む「北海道の屋根」といわれる一帯が国立公園に指定されている。
これらの山岳は標高2000m前後だが、緯度が高いため本州の3000m級に匹敵する高山環境を有する。広大な高山帯は、エゾオヤマノエンドウやホソバウルップソウなど大雪山固有種をはじめとする高山植物で色鮮やかに彩られ、アイヌの人々に「カムイミンタラ=神々の遊ぶ庭」と呼んだ。氷河期の生き残りといわれるナキウサギやウスバキチョウ、然別湖固有種のミヤベイワナなど希少な生態系の宝庫でもある。
(指定:1934年12月4日 面積:22万6764ha)
⑥ 支笏洞爺湖国立公園
支笏湖と洞爺湖を中心に、有珠山や羊蹄山、樽前山などさまざまな形式の火山や火山地形によって構成される。温泉や硫気の吹き出す地獄現象などの火山活動が多く見られ、『生きた火山の博物館』でもある。支笏湖は日本で2番目に深い湖で、北限の不凍湖としても知られる。
札幌市中心部や新千歳空港からのアクセスがよく、登別、洞爺湖、定山渓などの北海道を代表する温泉観光地が賑わいを見せる。
(指定 : 1949年5月16日 面積:9万9473ha)
注記 : 国土が狭い日本では、国立公園の土地すべてを公園専用とすることが難しく、公園内には多くの私有地が含まれ、住んでいる人も多い。社会生活や産業と共存し、調整を図りながらの自然保護・管理が行われている。
バナー写真 : 夏の知床連山(写真提供 : 知床財団)
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