自殺者、10年連続減で過去最少に: 自殺率はG7で最悪
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2019年の全国の自殺者数は10年連続の減少で1978年の統計開始以来、過去最少となった。男性の自殺者数は女性の2.3倍。
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※2020年1月22日付で速報値をベースにした記事を公開した。3月17日に確定値が公表されたため、別記事として公開する。
2019年の全国の自殺者数は、18年より671人(3.2%)減って2万169人(確定値)となり、10年連続で前年を下回った。1978年の統計開始以来、最少。男性は前年比212人減の1万4078人、女性は同459人減の6091人で、男性の自殺者は女性の約2.3倍となっている。人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)も0.5人減って16.0人となり、過去最少。
自殺死亡率を都道府県別にみると、山梨が22.3人で最多、神奈川が11.7人で最も少なかった。東京は15.2人、大阪は14.0人だった。
国内の年間の自殺者は97年までは長年2万人台で推移したが、98年から14年連続で3万人を超え、03年には最多の3万4427人になった。その後、景気回復や、相談体制の拡充をはじめとする地域の取り組み強化を背景に、12年に3万人を割って以降は10年連続で前年より減少している。
ただ、世界的に見ると日本の自殺率は決して低くはない。OECDの公表データによれば、不名誉にも、98年以降、G7(先進7カ国)のトップを走り続けている。
政府は17年に自殺総合対策大綱を策定。自殺死亡率を26年までに15年比で30%以上減少させることを目標とし、多くの若者が利用するインターネット交流サイト(SNS)での相談対応の強化などに取り組んでいる。
バナー写真 : ぱくたそ