「知らない」人は意見が無い―温暖化に関する18歳意識調査 : グレタさんへの共感3割未満
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台風や豪雨災害の大規模化、海水温の上昇による水産資源への影響など、新聞やテレビは毎日のように「温暖化」に関するニュースを報じている。しかし、日本財団が実施した気候変動に関する「18歳意識調査」で温暖化のリスクについて「知っている」と答えた人は67%で、全体の3分の1にあたる33%は「知らない」と回答した。
世界第5位の日本の二酸化炭素排出量についてどう思うか聞いたところ、68.8%が「減らすべき」と回答、「社会活動のためにやむを得ない」を選択したのは12.9%にとどまった。「温暖化のリスクを知っている」層に限れば「削減すべき」と答えた人が80.0%だったが、「リスクを知らない」層は、「削減すべき」が46.1%と半数を割り、「分からない」が41.5%だった。
地球温暖化対策に関する国際的な枠組み「パリ協定」で、日本は2030年度の温室効果ガスの排出量を2013年度水準から26%削減する中期目標を打ち出している。この目標が、「各国に比べて十分か」との質問に対して、半数近い47.6%が「分からない」と回答。「リスクを知らない」層に限れば、75.4%が「分からない」だった。
トランプ米大統領が「パリ協定」からの離脱を通告したことについての評価も、「リスクを知らない」層では「分からない」と回答した人が75.8%に上った。
全体的な傾向として、「リスクを知らない」層は、具体的な設問に対して自らの意見を決められず、「分からない」としか答えようがないようだ。
2019年9月、環境活動家のグレタ・トゥンベリさんが国連の気候変動サミットで反温暖化を求め、世界各国の若者が学校ストライキなどの抗議活動を展開した。これについて、「共感する」は29.6%にとどまり、「分からない」が52.9%だった。特に、「温暖化リスクを知らない」層は、「共感」(14.8%)も「共感しない」(11.8%)も薄く、「分からない」が72.5%と圧倒的に多かった。
温暖化対策に向けて必要だと思うことについて自由回答方式で聞いたところ、「一人ひとりの努力が大切」「一人ひとりが自分にも関係あることだと自覚しておく」「自分ができる範囲で温室効果ガスの抑制を試してみるべき」など、大きな社会改革よりも、個人の日常的な行動にフォーカスした意見が多かった。
バナー写真 : 国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)で記者会見するグレタ・トゥンベリさん、2019年12月9日(時事)