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子どもの体力低下が顕著:ゲームやスマホの影響か?―スポーツ庁調査

社会

外で遊ばない、運動しない――。スポーツ庁の調査で、子どもの体力が明らかに低下していることが分かった。テレビやゲーム、スマートフォンなどの画面を見る「スクリーンタイム」の増加との関連が指摘されている。

スポーツ庁が公表した2019年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」によると、各調査種目の合計点の平均値である「体力合計点」が、小・中学生ともに低下した。男子の低下ぶりが目立ち、特に小学校男子は2008年度の調査開始以降、最低の数値となった。

調査は19年4~7月、全国の小学5年生と中学2年生の大半にあたる計201万人を対象に実施。握力、上体起こし、長座体前屈、反復横跳び、20メートルシャトルラン(中学生は持久走も選択可)、50メートル走、立ち幅跳び、ソフトボール投げ(中学生はハンドボール投げ)の8項目をテストし、結果を点数化した。(満点は80点)。

体力合計点をみると、小5男子は18年度の54.2点から53.6点に、小5女子は55.9点から55.6点に、中2男子は42.2点から41.6点に、中2女子は50.4点から50.0点にそれぞれ下がった。

同庁は体力低下の要因として、運動時間の減少や肥満の児童・生徒の増加、朝食を食べない児童の増加のほか、テレビやゲーム、スマートフォンなどの画面を見る「スクリーンタイム」の増加を挙げている。

スクリーンタイムの状況をみると、平日に「5時間以上」と答えた子どもが、小5男子15.4%、女子9.2%、中2男子11.8%、女子10.1%に達した。

スクリーンタイムの状況(%)

小5男子 小5女子 中2男子 中2女子
5時間以上 15.4 9.2 11.8 10.1
4~5時間 9.3 7.5 8.3 8.3
3~4時間 14.2 11.9 16.6 16.2
2~3時間 20.2 18.1 26.8 25.7
1~2時間 24.2 26.4 26.8 27.3
1時間未満 14.4 23.4 8.5 11.6
全く見ない 2.3 3.5 1.1 0.9

(2019年度スポーツ庁調査)

子どもの肥満率は、小5は男子11.1%、女子8.1%、中2は男子8.6%、女子が6.6%。いずれも前年度より0.3~0.7ポイント高く、これらの子どもは体力合計点が低い傾向がみられた。

バナー写真:(Fast&Slow/PIXTA)

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