2020年度予算、2年連続で100兆円超え : 教育無償化などで社会保障費1.7兆円増
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政府が2019年12月20日閣議決定した20年度予算案の一般会計の総額は過去最高の102兆6580億円となった。19年度に続き、2年連続で当初予算で100兆円を超えた。
歳出増の最大の要因は社会保障費だ。19年度当初予算比1兆7302億円増の35兆8608億円で、歳出全体の34.9%を占める。高齢化などに伴う自然増4111億円に加えて、19年10月の消費税増税を機に始まった幼児教育・保育無償化や20年4月の高等教育の無償化などで支出が膨らんだ。
増税による消費落ち込みを抑えるため、キャッシュレス決済した人に対するポイント還元に2703億円、マイナンバーカード保有者に対しても買い物ポイント還元する制度を導入し2478億円を支出する。防衛関係費は、宇宙・サイバー・電磁波など新領域の能力強化などで前年度当初1.1%増の5兆3133億円で、6年連続の過去最高となる。
一方、歳入は、税収が19年度当初比1.6%増の63兆5130億円。新規国債発行額は同0.3%減の32兆5562億円。
1980年代までは税収と歳出がそれほど大きくかい離しておらず、各年度の国債発行額は15兆円を上回ることはなかった。しかし、バブル経済の崩壊と長期の経済停滞で、たび重なる財政出動や減税政策で収支は悪化、国債発行の増額で穴を埋めてきた。2010年代に入って税収は回復基調にあり、20年度も消費税増税の効果で過去最大の63.5兆円となるが、歳出も拡大しているため、国債の発行に頼る状況が続いている。
国債発行残高は、年々積み上がり、2019年度末の国債発行残高は906兆円となる見通し。国民1人当たりに換算すると723万円、4人家族で2892万円の借金を負っていることになる。超低金利政策によって金利は低く抑えられているが、経済状況の変化によって金利が反転すれば、利払い費が重くなる可能性がある。
バナー写真 : PIXTA