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まだ大人じゃない、社会は変えられないし、議論もしない : 希望なき国の18歳

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豊かで、安全で、教育水準も高いけれど、若者が希望を持てない国。それが日本。

日本財団が世界9カ国で9000人の若者を対象に実施した「18歳意識調査」で、日本は「将来、国が良くなる」と考えている人が1割以下にとどまり、「自分の力で国や社会を変えられる」と考える人も2割に満たなかった。世界第3位の経済大国でありながら、希望もなく、社会を変える意欲もない若者像が浮かび上がる。

「国の将来について」は、G7(先進7カ国)構成国である米国・英国・ドイツも、「良くなる」と答える人は少なく、先進国に共通の傾向だ。しかし、日本の少なさは群を抜いている。一方で、中国では96.2%が国の将来を前向きに捉えており、「悪くなる」と回答したのはわずかに0.1%だった。

「解決したい社会課題がある」と答えた人は日本は46.4%で最下位。「将来、良くなる」とは思わないけれど、差し当たって、解決すべき課題もないのは、無気力なのか、恵まれている証拠なのか…。

「自分で国や社会を変えられると思う」若者は2割以下で、断トツの最下位。2番目に少なかった韓国の半分以下だ。「課題について積極的に議論している」人も極端に少ない。

なぜなら、日本の若者は「自分を大人だと思う」人が3割に満たず、「責任ある社会の一員だと」自覚する人も半分以下なのだ。

社会に対する意識は薄くても、せめて、将来の夢があれば前向きな気持ちで生きていけそうだが、「将来の夢を持っている」人も最下位。8割を超えていないのは日本だけだった。

人生100年時代。希望も夢も持たずに生きていくには長過ぎる。「なぜ、希望が持てないのか?」と問われているのは、若者ではなく、日本社会なのかもしれない。 

バナー写真 : PIXTA

日本財団 若者