日本産牛肉の輸出じわり増加 : とろけるような霜降りが魅力
経済・ビジネス 食 社会
口に入れた瞬間に溶ける脂のうまみ、繊細な肉質は一度食べたら忘れられない? 世界的な日本食ブームの影響もあり日本産牛肉の輸出がじわじわと増加している。
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日本は年間60万トンの牛肉輸入大国だが、日本で生産される美しくサシの入った繊細な肉質の牛肉には世界の食通、美食家が注目。年を追うごとに輸出量が増えている。
2001年に牛海綿状脳症(BSE)が発生、輸出先はごく一部の国に限られていた。しかし、13年に国際機関からBSEの発生リスクが最も低い「清浄国」の認定を受けて以降は、政府のプロモーション施策もあり徐々に輸出が拡大。18年は前年比31.5%増の3560トンで、10年前の約6倍となった。2019年も10月までの輸出量が3431トンとなり、通年では前年を上回る勢いだ。
国産牛の国別輸出量をみると、1位はカンボジア、僅差で香港。3位の台湾は01年から日本産の牛肉の輸入を禁止していたが、17年9月に16年ぶりに禁輸措置を解除すると、18年にはいっきに第3位の輸出先となった。
中国もBSE発生以降は日本産牛肉の輸入を禁止してきたが、19年11月25日、日中両政府が輸出再開の前提となる「動物衛生検疫協定」を交わした。実は、日本産牛肉はカンボジアを経由して既に中国市場に出回っていると言われており、高級志向が強い富裕層のニーズは高そうだ。対中輸出が解禁されれば、輸出量は大きく伸びる可能性もありそうだ。
バナー写真 : PIXTA