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「1日3時間以上」が2割 : 子どものゲーム依存深刻

医療・健康 社会

ぎゅうぎゅう詰めの通勤列車の中でゲームする人。駅のホームを歩きながらスマホの操作を続ける人。大人だってやめられないのだから、子どもが依存症にならないはずがない。

「ゲーム障害」に関する初の実態調査で、10代・20代の18.3%が平日でも1日3時間以上をゲームに費やしていることが明らかになった。ゲームする時間が長い人ほど依存症傾向が強く、生活に支障を来たしたり、健康に影響が及んだりしている。調査は、厚生労働省の補助事業として国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県)が実施。全国から抽出した10~29歳9000人を対象とし、5100人から回答を得た。

過去12カ月にゲームをしたことがあったのは85%(男性92.6%、女性77.4%)で、使用する機器(複数回答)はスマートフォンが80.7%と最も多く、据え置き型ゲーム機48.3%、携帯型ゲーム機33.6%が続いた。ゲームをする場所(複数回答)は自宅が97.6%と圧倒的に多かった。

「ゲームをやめなければいけない時に、しばしばやめられなかったか?」の質問に対して、ゲーム時間が1時間未満の人は21.9%だったが、6時間以上の人は45.5%が「はい」と答えた。6時間以上の人の約3割は「ゲームのために、スポーツ、趣味、友だちや親戚と合うなどといった大切な活動に対する興味が著しく下がったと思う」としている。

平日のゲームの時間 やめるべき時にやめられなかった(%) 大切な活動への興味が下がった(%)
~1時間 21.9 2.9
1~2時間 28.5 6.9
2~3時間 32.7 11.1
3~4時間 34.7 10.0
4~5時間 43.3 22.4
5~6時間 37.4 20.3
6時間以上 45.5 28.9

出所 : 国立病院機構久里浜医療センター

また、ゲーム時間が6時間以上の人の約4割は、腰痛、目の痛み、頭痛などの身体の問題や、睡眠障害、憂うつなどの心の問題を引き起こしてもゲームを続けたと答えている。

約半数が幼児や小学生のうちからオンラインゲームを始めている。大人ですら片時もスマホを手放せない人も多いのに、子どもに自制心を求めるには限界がある。子どもを依存症にさせないのは大人の責任だ。

バナー写真 : PIXTA

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