ラグビーファンはやっぱりビール好き : 9~10月のハイネケンは282%
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「ラグビーファンは水のようにビールを飲む」「ビール消費量はサッカーファンの6倍」――ラグビーW杯では、海外からやってくるファンのビール消費動向も注目されていた。開催都市の飲食店向けの事前説明会では、組織委員会から「ビールを切らすな」とげきが飛んだという。
実際に、開催期間中には、ファンたちが試合開始前からファンゾーンで盛り上がり、試合後もスタジアム近くの飲食店で大量のビールを消費する姿が話題になった。優勝した南アフリカ代表がロッカールームで優勝トロフィー「ウェブ・エリス・カップ」にビールをついで祝杯を挙げる様子が報じられ、“ラグビー=ビール”のイメージがますます強まった。
試合会場とファンゾーンで独占販売権を持つ公式スポンサー「ハイネケン」を国内で製造販売するキリンによると、ビール市場が縮小傾向にある中でハイネケンはW杯開催期間の9~10月の2カ月間では対前年282%の大幅増を記録した。
キリンでは、販売増に備えて9月から前年比250%の増産体制を敷き、野球場でおなじみの売り子を全国12会場で約1600人動員するなどの取り組みがこの成果につながったようだ。他のビールメーカーでも9月の販売数(ビールのみ。発泡酒、新ジャンルは含まない)はアサヒビールが112%、サッポロビールが116%と増加している。消費税増税前の駆け込み需要に加えて、W杯の波及効果もあったと見られる。
ビールメーカー各社の9月・10月のビール販売実績(前年同月比)
2019年9月
キリン | ハイネケン | アサヒ | サッポロ |
---|---|---|---|
117% | 340% | 112% | 116% |
2019年10月
キリン | ハイネケン | アサヒ | サッポロ |
---|---|---|---|
91% | 224% | 87% | 92% |
札幌ドームで2試合を開催した札幌市のまとめによると、9月21日のオーストラリア対フィジー戦が約1万7700リットル、同22日のイングランド対トンガ戦が約1万8600リットルだった。サッカーJリーグのコンサドーレ札幌やプロ野球日本ハムの観客数3万5000人規模の試合と比較すると、消費量は3.4~4.6倍に達したという。「サッカーファンの6倍」という前評判には達しなかったものの、上々の販売量。さらに、札幌駅前のファンゾーン(3日間)で3291リットル、大通公園ファンゾーン(10日間)で1万2100リットルを販売したという。
バナー写真 :時事