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2045年の東京は高齢者であふれる : 大都市こそ対策を講ずべし!

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高齢化は地方の問題だと思っていませんか? 2045年、高齢化は都市問題になっている。

国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、日本の総人口は2015年からの30年間で2000万人以上減り、45年には1億0642万人になる見込みだ。特に、人口減が激しいのは都市部より地方で、15年比で20~30%の減少が見込まれる県も少なくない。

2015年と2045年の人口

(単位:1000人)

順位 2015 2045
  全国 127,095 106,421
1 東京都 13,515 13,607
2 神奈川県 9,126 8,313
3 大阪府 8,839 7,335
4 愛知県 7,483 6,899
5 埼玉県 7,267 6,525
43 福井県 787 614
44 徳島県 756 535
45 高知県 728 498
46 島根県 694 529
47 鳥取県 573 449

出所 : 国立社会保障・人口問題研究所
(2015年時点の都道府県別人口の降順に並べ、上位5と下位5の自治体をピックアップして表にまとめた。2045年は順位が入れ替わっている)

一方で、高齢社会化も一段と進む。秋田県、青森県では2045年になると、県民の約3割が後期高齢者(75歳以上)となる。若年人口の流入が見込まれる東京都では、後期高齢者比率は16.7%に留まり、地方に比べるとずいぶんとマシに思える。

2045年に75歳以上の人数と割合

順位 人数(単位 : 1000人) 割合(%)
1 秋田県 192 31.9
2 青森県 240 29.1
3 福島県 360 27.4
4 山梨県 160 26.7
5 山形県 205 26.7
43 埼玉県 1,314 20.1
44 滋賀県 246 19.5
45 愛知県 1,279 18.5
46 沖縄県 255 17.8
47 東京都 2,271 16.7

出所 : 国立社会保障・人口問題研究所

ところが、高齢者人口の実数や増加率は、地方よりも都市部の方が高い。2015年比で後期高齢者人口が大きく増えるのは、首都圏、大阪圏を中心に大都市を擁する県がほとんどだ。

東京の後期高齢者の数は、2015年時点の147万人から、45年には227万人まで増える。たとえ、総人口に占める割合が相対的に低くても、鳥取全県民の4倍の数の後期高齢者が東京の街にあふれる――と考えると、ボリュームのインパクトが想像できるだろうか。

今の時点でも、介護施設・介護人材の不足が深刻な社会問題となりつつある。さらに高齢者が増える2045年に向けて、十分な介護を提供できる体制を作れるのか、災害が発生した時に災害弱者である高齢者をいかに支援するのか。都市部こそ、対策を講じる必要がありそうだ。

バナー写真:PIXTA

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