ワンピース、ナルト、コナンに幅広い支持 : アジアで人気のコンテンツ調査

アジア地域に向けて日本の情報を発信するサイトを運営するFun Japan Communications（本社・東京）が台湾、香港、タイ、インドネシアなど7カ国・地域の1000人を対象に、日本のどのようなコンテンツが支持されているのか調査した。

ジャンル別の視聴経験について尋ねたところ、ほとんどの国・地域でアニメがトップだった。台湾と香港はアニメだけでなく、マンガ、映画、ドラマ、音楽、バラエティーと幅広いジャンルについて約6～8割の視聴経験があり、日本のコンテンツの浸透ぶりがうかがえる。

「好きな作品」は、『ONE PIECE』『NARUTO』『名探偵コナン』など少年マンガ誌の連載からテレビアニメ、映画へと展開したメディアミックス作品が人気。スタジオ・ジブリ作品も複数の国・地域で支持されている。

各国・地域のコンテンツ事情と「好きな作品」「有名な作品」のトップ5は以下の通り。

【台湾】

有料チャンネルで日本とのタイムラグがほとんど無しに映画やドラマが放送されている。好きなコンテンツの5位『アンナチュラル』（2018年1～3月TVドラマ）に加え、9位に『わたし、定時で帰ります』（2019年4～6月TVドラマ）が食い込むなど、日本人にとってもトレンド感のある作品がランクイン。

【香港】

大手テレビ局で日本のドラマやアニメ番組を放送。スタジオジブリ作品や『名探偵コナン』『ポケットモンスター』などのアニメ映画は、毎年のように新作が公開される。インターネット上で「ドラマ字幕組」「アニメ字幕組」などのコミュニティが生まれ、日本語オリジナル作品に独自に字幕を付けてSNSで発信するなど、違法サイト、違法ダウンロードも多い。

【タイ】

アニメやドラマ以外にも、ドキュメンタリー、バラエティなど幅広いジャンルの日本のテレビ番組が放送されている。『TVチャンピオン』（1992～2008年）、『ココリコミラクルタイプ』（同2001～07年）など、日本人にとっては「懐かしい！」バラエティ番組が支持されている。

【マレーシア】

毎週末にテレビで放送される定番的なアニメ番組が上位にランクイン。最新アニメを放送する有料チャンネルもあるが、料金が高いため、加入者数は限られている。YouTubeなどで違法に動画を見ている人も多い。

【インドネシア】

1980年代に「NHKインドネシア」が初めて日本アニメを放送、90年代からは民間テレビ局でも放送されるようになり、ファン層は広い。ただ、近年はグロテスクなシーンに対する検閲が厳しく、日本アニメはほとんどテレビ放送されていない。違法ダウンロードなどで視聴している人が多いようだ。

「Nihongo mantappu(日本語最高)」は、インドネシアで人気のユーチューバーで早稲田大学に留学中のジェローム・ポリンさんのチャンネル。留学生活や日本語に関する情報を動画で流している。

【ベトナム】

1990年代にベトナム語訳「ドラえもん」が出版されて以来、不動の知名度・人気を誇る。合法的に放送・放映されている日本のアニメや映画がほとんどないため、YouTubeで視聴している人が多い。

【インド】

ベスト5圏外では6位に『ドラゴンボールZ』、8位に『進撃の巨人』が入るなど、少年マンガ誌連載発の作品の人気が高い。

バナー写真：時事