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児童虐待、過去最悪の16万件超 : 心理的虐待が増加

社会 家族・家庭

全国の児童相談所が対応する児童虐待の件数は年々増加し、2018年度は16万件超に上った。

厚生労働省のまとめによると、2018年度に全国の児童相談所での虐待の相談対応件数は前年度比2万6072件増の15万9850件と過去最悪を記録した。統計を取り始めた1990年度から28年連続の増加。虐待によって子どもが死亡する事件が社会問題化し、通報が増加していることも影響しているとみられる。

虐待の内容別では、子どもの前で父親が母親に対して(その逆も)暴力を振るう「面前DV」や暴言を浴びせるなどの「心理的虐待」が8万8389件と最も多く、身体的虐待が4万256件、ネグレクト(養育の放棄・怠慢)が2万9474件、性的虐待が1731件だった。

相談経路としては、警察等が7万9150件と最も多く、近隣知人が2万1449件、学校等1万1449件、家族1万1178件、が続いた。虐待された本人からの相談も1414件あった。

また、厚労省の社会保障審議会の児童虐待に関する専門委員会がまとめた2017年度の虐待による死亡人数は65人だった。このうち心中以外の虐待死は52人で、死亡した子供の年齢は0歳児が28人と最も多く、0歳のうち月齢0カ月が14人と高い割合を占めた。また、主たる加害者は実母のケースが25人、実父のケースが14人だった。また16人は実母が「予期しない妊娠/計画しない妊娠」だった。

バナー写真 : PIXTA

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