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「職場でハラスメント受けた」3分の1超:連合調査、離職につながる例も

社会

日本労働組合総合連合会(連合)が2019年5月に発表した職場実態調査によると、「職場でハラスメントを受けたことがある」人が全体の38%に上った。被害者のうち20代の3割近くが離職を選択したという結果もあり、職場のハラスメントが企業の人材損失にもつながっていることが浮き彫りになった。

受けたハラスメントの4割が「精神的な攻撃」

調査はインターネットを使い、 20歳から59歳までの有職者1000人を回答者として実施。うち375人が「職場でハラスメントを受けたことがある」と回答した。

受けたハラスメントの内容(複数回答)を割合別にみると、「脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言などの精神的な攻撃」が41.1%、「業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害などの過大な要求」が25.9%、「私的なことに過度に立ち入ることなどの個の侵害」 が22.7%に上るなど、パワーハラスメント(パワハラ)にあたる内容が挙がった。

行為者別で最も多かったハラスメントは、上司からが「脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言などの精神的な攻撃」、同僚からが「隔離・仲間外し・無視などの人間関係からの切り離し」、取引先からでは「セクシュアル・ハラスメント」だった。

また、被害者の53.6%が「仕事のやる気喪失」、22.4%が「心身不調」、18.9%が「退職・転職」を余儀なくされたと回答。離職については20代が最も多く、被害者の3割近くに上った。

「いじめ・嫌がらせ」の労働相談、年8万件超に

パワハラの広がりは、厚生労働省が6月に発表した「個別労働紛争解決制度」の利用状況 (2018年度)からも伺える。

この制度は労働者と企業のトラブルを防止したり早期に解決したりするもので、発表によると、労働相談件数は過去最多の26万6535件。このうち、パワーハラスメントを含む「いじめ・嫌がらせ」の相談は8万2797件で、7年連続トップとなった。

国際社会でも、仕事上のあらゆるハラスメントが問題となっている。その禁止をうたった条約が6月、国際労働機関(ILO)の総会で採択された。国内法でハラスメントの禁止規定がないなどの理由から、日本の批准はハードルが高いとみられているが、連合は政府に批准を働き掛けていくとしている。

バナー写真:mits/PIXTA

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