最強の夜景は長崎 : 激戦区の北海道、函館か?札幌か?
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海沿いの狭い平地に人口が密集する日本は、夜景が美しいポイントが多い。昭和の時代から「日本三大夜景」として親しまれてきたは、長崎(稲佐山)、神戸(麻耶山)、函館(函館山)の3カ所だ。
実は、日本三大夜景は「いつ、誰が」認定したか定かではない。いずれも共通しているのは都市近郊の山で、山頂までロープウエーで登れること。一説には、ロープウエーが整備されたことで、旅行会社が新たな観光資源として夜景に注目し、キャッチコピー的に使った言葉が定着したとも言われる。
時代に合った夜景を観光資源として有効に活用していこうと、夜景観光コンベンション・ビューローが、2015年から「日本新三大夜景」を選定している。同団体認定の夜景鑑賞士約5500人の投票によって、順位付けしている。特定の場所からの夜景ではなく、イルミネーションイベントなども含めた総合的な取り組みで「都市」を選定し、3年ごとに入れ替えを実施する。1回目の2015年は長崎市、札幌市、神戸市が選ばれ、2回目の2018年は3位が神戸市から北九州市に入れ替わった。
新三大夜景でも2回連続でトップに選ばれた長崎は日本最強の夜景と言えそうだ。
1 | 2 | 3 | |
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日本三大夜景 | 函館、神戸、長崎(順不同) | ||
新三大夜景 2015 | 長崎市 | 札幌市 | 神戸市 |
新三大夜景 2018 | 長崎市 | 札幌市 | 北九州市 |
【長崎】三大夜景 / 新三大夜景2015・2018で連続トップ
稲佐山(標高333メートル)展望台からの360度の大パノラマが三大夜景に数えられる。「坂の街」とも言われる長崎は、長崎港を取り囲むようなすり鉢状の地形に特徴があり、斜面にある人家から漏れる明かりで立体的な夜景が浮かび上がる。
長崎港にかかる女神大橋や、1865年建立の国内最古のゴシック調教会建築で国宝の大浦天主堂など間近でライトアップを楽しめるポイントも多い。
【神戸】三大夜景 / 新三大夜景2015の3位
六甲山系の麻耶山(標高702メートル)の山頂近くにある展望広場・掬星台(きくせいだい)からの夜景が日本三大夜景に数えられる。掬星台は、「星を手で掬(すく)えるほどの絶景が楽しめる」との意味を込めて命名された。
長崎、札幌と比べて標高が高いことから、大阪方面まで続く光の帯を見渡すことができる。
【函館】三大夜景
函館山(標高334メートル)からの眺望が日本三大夜景に数えられる。函館山は太古の火山活動によって誕生した火山島だったが、土砂の堆積によって5000年ほど前に陸続きになったと言われる。そのため、左は函館湾、右は津軽海峡と両側を海に挟まれた特徴的なフォルムの夜景を楽しむことができる。海岸線を走る道路の光が輪郭線となり、光と闇のコントラストが魅力だ。
【札幌】新三大夜景2015・2018の2回連続2位
郊外の藻岩山、大倉山から中心部を臨む夜景に加えて、さっぽろテレビ塔やJRタワーなど市の中心部にも複数の夜景スポットがある。
「さっぽろホワイトイルミネーション」は全国で開催されているイルミネーションイベントの先駆けで、近年は海外からのツーリストにも人気だ。「さっぽろ雪まつり」もライトアップやプロジェクションマッピングで夜間も楽しめるようになっている。
【北九州】日本新三大夜景2018の3位
工業都市である北九州は、製鉄所や化学工場などスケール感のある「工場夜景」で注目されるようになった。夜間も稼働する工場の光が海に反射するのも美しい。海から工場夜景を楽しむクルーズツアーも人気だ。
市の中央部にある皿倉山から見下ろす大パノラマや、門司港レトロ地区のイルミネーションなど多彩な夜景を楽しむことができる。
バナー写真 : 稲佐山から臨む長崎市の夜景(写真提供 長崎県観光連盟)