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農水産物輸出9068億円—東日本大震災から倍増 : 和牛人気で、牛肉3割増し

経済・ビジネス

ヘルシーで、美味しく、見た目が美しいと世界的に日本食の評価が高まっている。日本の農林水産品の輸出は2018年に9000億円を突破した。

2018年の農林水産物・食品の輸出額(速報値)は前年比12.4%増の9068億円となり、過去最高を更新した。東日本大震災が発生した2011年の4511億円から倍増以上となっている。環太平洋経済連携協定(TPP)や欧州連合との経済連携協定(EPA)の発効が追い風となり、政府が目標とする「19年に1兆円」は現実味を帯びてきた。

品目別では、「神戸牛」などブランド和牛人気から牛肉が前年比29.1%増の247億3000万円となった。世界的に日本食への関心と評価が高まる中、日本酒や緑茶など、日本ならではの食材も順調に伸びている。

日本の果物は、繊細な味わいで、見た目も美しいと、人気が高まっている。リンゴは前年比27.6%増の139億7000万円となった。イチゴは25億円とボリュームは小さいが、40.7%増と大幅に伸びた。「あまおう」などのブランドイチゴがアジア地域で認知度が高まってきているという。サバはアフリカ向けが好調で、22.0%増の266億9000万円となった。

日本からの主な農林水産物・食品の輸出額

品目 金額(億円) 対前年伸び率(%)
ホタテ(生鮮、冷蔵、冷凍) 476.8 3.1
ソース混合調味料 325.4 10.0
日本酒 222.3 19.0
清涼飲料水 281.7 15.0
牛肉 247.3 29.1
リンゴ 139.7 27.6
緑茶 153.3 6.8
サバ 266.9 22.0
カツオ・マグロ類 179.5 25.8

農林水産省の公表資料を基に編集部作成

国・地域別では、香港が前年比12.7%増の2115億円で最も多く、中国、米国、台湾、韓国と続いた。

課題は、東日本大震災による福島第一原発の事故の影響で、2019年1月15日現在で、24カ国・地域で福島県産食品の輸入規制が続いていることだ。特に、中国、香港、台湾、マカオでは幅広い品目で輸入停止を継続している。福島県の内堀正雄知事は2019年1月、香港を訪問し、厳格な放射線量検査を実施していることを説明するなど、安全性をアピールした。

バナー写真 : PIXTA

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