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骨髄バンクのドナー登録者49万人に : 非血縁者間の骨髄移植・さい帯血移植は年2500件

医療・健康 社会

1991年日本骨髄バンク設立、99年日本さい帯血バンクネットワーク発足で、非血縁者間にも造血幹細胞移植の道が拓かれるようになった。

通常の化学療法や免疫抑制療法だけでは治すことが難しい血液のがんや免疫不全症を完治させるために、「造血幹細胞移植」という治療が行われることがある。病気になった血液細胞を健康な細胞と取り換えるもので、大きく分けて「骨髄移植」と「さい帯血移植」の2種類がある。2010年以降は、国内で毎年、5000件以上(患者本人の細胞をあらかじめ保存しておく自家移植も含む)の造血幹細胞移植が実施されている。このうち2500件前後が、非血縁者間のものだ。

日本で初めて骨髄移植が行われたのは1974年。骨髄移植はドナーと患者の白血球の型(=HLA)が適合している必要があり、当初は適合確率が25%ある兄弟・姉妹を中心に、血縁者間でドナーを探し、移植が行われていた。

血縁者に型が適合する人が見つからず、非血縁でドナーを探そうとすると、一致の確率は数百から数万分の1となり、自力でドナーを探すことは極めて難しい。そのため、1980年代後半から患者家族や移植経験者らが各地で骨髄バンクの設立に向けて活動、91年に骨髄移植推進財団(現在の公益財団法人・日本骨髄バンク)が発足した。93年1月骨髄バンクによる非血縁者間骨髄移植が初めて実施されて以降、非血縁者間の移植の道が拓かれるようになった。

99年にはさい帯血バンクネットワークが発足、さい帯血移植の数が急速に増えている。さい帯血は出産直後のへその緒から採取するもので、ドナーへの負担がないことや、骨髄移植のような厳密な型の一致が求められないなどのメリットがある。さい帯血の中に造血幹細胞があることを発見したのは、日本人医師の中畑龍俊氏(現・京都大学iPS細胞研究所顧問)で、世界初のさい帯血移植は1988年にフランスで、日本では1994年に初めて実施された。

骨髄バンクにドナー登録している人は、2018年末時点49万3627人となった。登録者の年代構成は、10代0.9%、20代15.0%、30代27.6%、40代42.9%、50代13.6%だった(登録可能年齢は18~54歳)。

登録者数は毎年少しずつ増加しているが、米国783万人、ドイツ606万人、ブラジル355万人、中国82万人と比べると、まだまだ少ない。登録者が多いほど、患者とドナーのマッチングがスムーズに進み、治療開始までの期間を短縮することが可能になる。(各国データは日本赤十字社の造血幹細胞移植事業広報誌「BANK! BANK!」01号より引用。ドナー登録は、全国の献血ルームで受け付けている。)

バナー画像:PIXTA

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