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元号の最頻出漢字は「永」29回 : 来る時代の理想を表す言葉が選ばれる

文化

元号に使われる頻出漢字のベスト5は永、天、元、治、応。4月1日に公表される新元号は、どんな漢字にどんな思いを託すのだろうか。

最初の元号「大化」(645年~)から現在の「平成」(1989年~)まで247の元号が存在する。明治以降は天皇の「一世一代」となっているが、江戸時代までは戦災や地震、疫病、大火など不幸な出来事から立ち直り、人心を一新するため、一人の天皇の在位期間中に何度も改元することもあった。

247の元号に使われている漢字の総数は504文字。同じ漢字が何度も繰り返し使われているため、種類は意外と少ない72文字だ。最頻出漢字は「永」29回。「天」「元」各27回、「治」21回、「応」20回が続く。頻出上位5文字のいずれかを含む元号は全体の46%以上にあたる115にも上る。

同じ文字が何度も繰り返し使われるのは、これからの時代を託すにふさわしい意味を備え持っているからなのだろう。例えば「永」は長く続くこと、「天」は神聖で尊い様子を表し、「元」はものごとの始まりを示す。

ちなみに「平成」の「平」は通算12回目だが、「成」は初登場。「昭和」の「和」は19回目だが、「昭」は初めてだった。

元号に頻出する漢字とこれまでに使われた回数

29 15
27 15
27 15
21 14
20 13
19 12
19 12
19 10
19 10
17 9
16 9
16 9

1979年の大平正芳内閣は、元号を選定する際の留意事項として「国民の理想としてふさわしいような良い意味を持つ」「漢字2字」「書きやすい」「読みやすい」「過去に元号または(天皇が崩御した際の)贈り名として用いられていない」「俗用されていない」の6項目を挙げている。

また、歴史的に、元号は四書五経など漢籍を出典とするものとされており、単に良さそうな漢字を組み合わせているわけではない。「平成」は、『史記』の内平外成と『書経』の地平天成(書経)を出典とし、「国の内外にも天地にも平和が達成される」という意味を込めている。さらに、明文化されているわけではないが、新元号は、明治(M)、大正(T)、昭和(S)、平成(H)とは頭文字が異なるものが選ばれるのではないかと言われている。

新元号の発表は新天皇即位1カ月前の4月1日。新しい元号にはどんな思いが込められるのだろうか。

バナー写真:時事

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