3.11後の日本

創発的破壊が日本を復活させる

政治・外交 社会

今年3月に発生した東日本大震災は、日本に戦後最悪の被害をもたらした。被災地復興と共に、パラダイム・チェンジを迎えた日本。脱原発・脱炭素社会を目指し、新たな日本の創造が試される。

若者パワーに期待

今回は若者のパワーにも期待したい。1961年4月に有人宇宙飛行でソ連に先を越されたケネディ大統領は、翌5月25日に議会で、「アメリカはこの10年の内に月に人を送り、安全に帰還ならしめることを実現する」と宣言した。アメリカはそれまでたった一回有人ロケットを打ち上げたことがあるだけで、そこには技術的根拠も何もなかった。どれほどの人がその実現を想像しただろうか。さらに、その翌年9月にはライス大学で、「われわれが月に人を送ると決めたのは、それが易しい課題だからではない、それがきわめて困難な課題だからである」とケネディはアメリカ人をけしかけた。それに本気で呼応したのは多くの若者たちだった。全米各地の優秀な学生たちが我先にと競ってNASAに馳せ参じ、1969年7月にアポロ11号を月に送ったのである。この時のプロジェクトチームの平均年齢は26歳とも28歳ともいわれるが、まさにケネディ演説に呼応した学生たちが主役であったことを物語っているのである。

もうカリスマ的リーダーを待望する必要はない、時代が要請する「脱原発・脱炭素社会のリーダー」に日本を変貌させるべく、それぞれの分野でプロフェッショナリズムを発揮する一人ひとりの創発的パワーがあればいい。そして、フェイスブックを開けば、その創発的破壊と創発的創造がいま日本のあちこちで産声を上げているのが聞こえてくるのである。

この記事につけられたキーワード

省エネルギー 少子高齢化

このシリーズの他の記事