3.11後の日本

創発的破壊が日本を復活させる

政治・外交 社会

今年3月に発生した東日本大震災は、日本に戦後最悪の被害をもたらした。被災地復興と共に、パラダイム・チェンジを迎えた日本。脱原発・脱炭素社会を目指し、新たな日本の創造が試される。

カリフォルニア州より狭い日本

ここで注目したいのが、各地方の自由度を高くした道州制の導入である。日本を10くらいの行政単位に分散化し、各自治体を一国単位くらいの自由度で確立し、その連合体としての日本を構想することである。認識して欲しいのは、日本の面積はカリフォルニア州よりも小さいという事実である。日本の約37万平方キロメートルに対してカリフォルニア州は42万平方キロメートルである。そして、カリフォルニア州には州知事が1人であるのに対して、日本には47人の都道府県知事が存在している(図1)。経済規模や人口では日本の方が約4倍の規模を誇ってはいるが、47倍の知事は不必要であろう。これは1871(明治4)年に断行された廃藩置県がその原型にあるためである。

図1 日本と米国カリフォルニア州の比較

明治政府はそれまであった300近い藩を当初70府県ほどに統合するという大行政改革を断行した。当時の東京−大阪の往来が徒歩によっていて、早飛脚でも片道14日間かかっていた時の大英断である。しかし、これだけ情報手段が発達し、東京−大阪間の主要手段である新幹線が3時間を切っても、政治システムの単位が100年前のままというのはどう考えてもおかしい。しかも、各地域が地方自治権を持っても十分な経済規模を有しているのは、図2を見ても明らかである。関西州は韓国の90兆円、中部州はオランダの72兆円、九州州はデンマークの29兆円を超える経済規模を有しているのである(各国のデータはOECD Annual National Accounts Databaseによる。1ドル=113.26円で換算)。

図2 「道州制」が実現した場合の経済力

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