地上229メートルの展望施設「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)」:“映える”景色をオープンエアで満喫

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東京・渋谷駅の真上に登場した屋外展望施設「SHIBUYA SKY」は、雲に手が届きそうな高所から大都会のパノラマを楽しめ、日常を忘れさせる空間。開業からたった4年で、訪日旅行者の定番スポットに躍り出た、その魅力に迫る。

渋谷の真ん中で360度パノラマを堪能できる

日本の流行発信地・渋谷では現在、100年に一度といわれる駅前の再開発が進む。その中心となるのが、2019年11月に完成した地上229メートル47階建て(地下7階)の複合ビル「渋谷スクランブルスクエア」。駅直結のため、ショップやレストランも人気となっているが、特に最上階層にある展望施設「SHIBUYA SKY(渋谷スカイ)」は連日大盛況だ。

渋谷といえば、1回の青信号で渡る人は3000人に及ぶこともあるスクランブル交差点が知られる。世界一混雑する交差点だが、通行人同士がぶつかることなく整然と通過していく様子が、外国人観光客には日本を象徴する都市風景として人気。これを229メートルの上空から見下ろすことができる新名所がSHBUYA SKYだ。

JR渋谷駅の東側に隣接する渋谷スクランブルスクエア。14階までが商業施設で上層階にオフィスが入居する
JR渋谷駅の東側に隣接する渋谷スクランブルスクエア。14階までが商業施設で上層階にオフィスが入居する

14階エントランスで受付をした後、エレベーター「TRANSITION POD」で31フロアを一気に通過。約30秒の移動中は天面映像と立体音響の演出によって、非日常への期待を盛り上げる
14階エントランスで受付をした後、エレベーター「TRANSITION POD」で31フロアを一気に通過。約30秒の移動中は天面映像と立体音響の演出によって、非日常への期待を盛り上げる

45階からエスカレーターで46階へ。狭く暗いトンネルを抜けると、自然光が差し込むロビーに到着する
45階からエスカレーターで46階へ。狭く暗いトンネルを抜けると、自然光が差し込むロビーに到着する

手荷物をロッカーに預けて屋外エリアへ出ると眺望が開ける
手荷物をロッカーに預けて屋外エリアへ出ると眺望が開ける

「日常から非日常の空間へと移行し、高みから街の躍動を感じ、景色の先にある世界を想像する“体験型展望施設”」がコンセプト。かつて渋谷駅東口の名物だった渋谷東急文化会館の「天文博物館五島プラネタリウム」を念頭に、観光だけにとどまらない文化施設を目指したという。視界が狭く、暗い通路を抜けると、屋上には大パノラマが広がっており、登山で山頂に立った瞬間のような開放感が味わえる。

最上部の屋上展望空間「SKY STAGE」はウッドデッキと人工芝が広がり、視界を邪魔するものはない。北に新宿の高層ビル群、東には東京タワーや東京スカイツリー、南は東京湾、西には富士山が望めて、シャッターを切る手が止まらない。風や日差しをじかに感じ、流れる雲や夜空を眺めるには最適で、芝生の上や備え付けのハンモックに寝転べば、まるで雲の上にいる気分だ。

四方は高いガラスに囲まれているが、北西角の「SKY EDGE」エリアだけは低くなっており、直下にスクランブル交差点を見下ろすことができる絶景スポット。思わず足がすくむほどの高さだが、上空から観賞する世界一の交差点には地上とは違う面白さがある。

日本最大級の約2500平方メートルを有する屋上展望空間。事故防止のため、帽子や飲み物も持ち込み禁止
日本最大級の約2500平方メートルを有する屋上展望空間。事故防止のため、帽子や飲み物も持ち込み禁止

最も写真映えするSKY EDGEでは有料の撮影サービスも。広大な代々木公園や新宿の摩天楼を一望
最も写真映えするSKY EDGEでは有料の撮影サービスも。広大な代々木公園や新宿の摩天楼を一望

最高地点の「GEO COMPASS」は正距方位図法の世界地図。上に立って、視界の先の国々に思いをはせられる。北東方面(写真正面)には国立競技場の屋根も
最高地点の「GEO COMPASS」は正距方位図法の世界地図。上に立って、視界の先の国々に思いをはせられる。北東方面(写真正面)には国立競技場の屋根も

天気のよい日は西側に丹沢の山並みがくっきりと浮かぶ。その向こうに富士山が顔をのぞかせていたらラッキー
天気のよい日は西側に丹沢の山並みがくっきりと浮かぶ。その向こうに富士山が顔をのぞかせていたらラッキー

南西の角。透明度の高いガラス越しに横浜まで見渡せる
南西の角。透明度の高いガラス越しに横浜まで見渡せる

高さ180メートルの「渋谷ストリーム」を見下ろす南側の展望。東京湾の先には房総半島
高さ180メートルの「渋谷ストリーム」を見下ろす南側の展望。東京湾の先には房総半島

自由にくつろげる「CLOUD HAMMOCK」
自由にくつろげる「CLOUD HAMMOCK」

東側はルーフトップバー「THE ROOF SHIBUYA SKY」(午後4時以後、期間限定)のソファエリア。営業時間外は誰でも腰掛けられる
東側はルーフトップバー「THE ROOF SHIBUYA SKY」(午後4時以後、期間限定)のソファエリア。営業時間外は誰でも腰掛けられる

テクノロジーが眺望をさらに引き立てる

夕方から夜にかけては雰囲気が変わり、幻想的な風景を見せる。特に夕焼け空が美しいマジックアワーは連日予約でいっぱい。夜景も素晴らしく、ネオンや車のライトが街を埋め尽くし、まるで近未来SFのようだ。日没後には18本のサーチライトが天空を彩り、季節に合わせた音響と共に神秘的な空間を生み出す。

東京タワーと東京スカイツリーの競演を楽しめるスポットは意外に少ない
東京タワーと東京スカイツリーの競演を楽しめるスポットは意外に少ない

遠くかなたまで広がる街の明かり
遠くかなたまで広がる街の明かり

光と音響で時を知らせる「CROSSING LIGHT」(午後7時から10時まで30分間隔)
光と音響で時を知らせる「CROSSING LIGHT」(午後7時から10時まで30分間隔)

46階の屋内展望回廊「SKY GALLERY」では、天候を気にせず屋上と遜色のない絶景を堪能できる。デジタルアートの展示やカフェバー、土産物のショップもあるので、じっくりと回遊したい。

大都会の真ん中にありながら、非日常の時間を過ごせるSHIBUYA SKY。渋谷の新たなランドマークとして、これからも訪れる人を魅了し続けるに違いない。

時の流れを映像で表現する「TIME RIVER」(右端)から展望回廊はスタート。10月1日まで開催していた夏季イベント「BOTANICAL VIEW|渋谷上空229mの植物園」では観葉植物をつるして展示
時の流れを映像で表現する「TIME RIVER」(右端)から展望回廊はスタート。10月1日まで開催していた夏季イベント「BOTANICAL VIEW|渋谷上空229mの植物園」では観葉植物をつるして展示

LEDディスプレーで渋谷のさまざまなデータをビジュアル化する「DATA SCAPE」(右端)
LEDディスプレーで渋谷のさまざまなデータをビジュアル化する「DATA SCAPE」(右端)

46階からもスクランブル交差点を見下ろせる
46階からもスクランブル交差点を見下ろせる

ミュージックバー「Paradise Lounge」。フード監修は「ミシュランガイド東京」で二つ星を獲得した日本料理「傳(でん)」店主の長谷川在佑氏
ミュージックバー「Paradise Lounge」。フード監修は「ミシュランガイド東京」で二つ星を獲得した日本料理「傳(でん)」店主の長谷川在佑氏

順路の最後は「SHIBUYA SKY SOUVENIR SHOP」。多くのオリジナル商品をラインアップする
順路の最後は「SHIBUYA SKY SOUVENIR SHOP」。多くのオリジナル商品をラインアップする

SHIBUYA SKY

  • 住所:東京都渋谷区渋谷2丁目24-12 14階(チケットカウンター)、45階・46階(屋内展望施設)、屋上(屋上展望空間)
  • 定休日:年中無休 ※臨時休館となる場合あり
  • 営業時間:午前10時~午後10時30分(最終入場は午後9時20分)
  • 入場料:WEBチケット(窓口チケット)=大人2200(2500)円、中・高校生1700(2000)円、小学生1000(1200)円、3~5歳600(700)円
  • アクセス:JR・私鉄各線「渋谷」駅直結
  • SHIBUYA SKY 公式HP(外部サイト)

取材・文・撮影=ニッポンドットコム編集部

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