リアス海岸をのんびり眺める岩手・三陸鉄道の旅【北編:宮古駅-久慈駅】
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かつて「北リアス線」と呼ばれた三陸鉄道の宮古駅-久慈駅間。山越えのためのトンネルが続く区間だが、高さ30メートルもの橋から雄大な太平洋を見下ろすビューポイントや途中下車をして味わいたいご当地グルメなど魅力も多い。
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三陸鉄道のオリジナルグッズが手に入る宮古駅
宮古駅には、リアス線開通と同時に土産店「さんてつや」がオープン。三陸鉄道オリジナルグッズや沿線の名産品などがそろう中で、1番人気なのが「クロジカせんべい」。厳しい経営状況ながらも“黒字化”を目指す三陸鉄道だけに、“黒鹿”をパッケージにしたというユニークな商品。雑穀やすき昆布、しょうゆ、塩など地元産の素材にこだわり、味は本格派だと評判だ。
市場の活気を感じながら三陸の特産品を手に入れたい人は、宮古駅から徒歩10分の「宮古市魚菜市場」へ。新鮮な魚介や野菜、手作り総菜などがずらりと並ぶのはもちろん、海鮮丼などが味わえる食堂もある。
三陸随一の景勝地「浄土ヶ浜」も、宮古が最寄り駅となる。“極楽浄土のような絶景”とうたわれる、静かな入り江に荒々しい岩がそびえ立つ風景は必見だ。
高さ30メートルの橋から太平洋を一望できる堀内駅付近
海を見晴らせる高台の堀内(ほりない)駅近くには、三陸鉄道のビュースポットの中でも特に人気の高い2つの橋がある。
南側の白井海岸駅方面にある「大沢橋梁」は高さ30メートル、全長156メートルの美しいコンクリートアーチ橋で、北側の「安家川(あっかがわ)橋梁」は高さ33メートルで302メートル続く。いずれも太平洋のパノラマを見下ろすように一望できる。橋を通過する際は徐行運転や一時停止をしてくれるので、ぜひカメラを準備しておこう。
「のだ塩ソフト」が名物の陸中野田駅、リアス線北の玄関口・久慈駅
陸中野田駅は、鉄道の駅と道の駅が合体した全国でも珍しい施設。ここで人気の一品が、「道の駅のだ」で味わえるソフトクリーム「のだ塩ソフト」。野田村は400年以上の製塩の歴史があり、海水をまき火でじっくり煮詰めた自然海水塩がバニラ風味を引き立てる。
リアス線の最北端に位置する久慈は、海女が漁をする北限の地。駅舎内には、海女に関する資料展示や衣装を試着できるコーナーがある。売店「三陸リアス亭」の名物「うに弁当」は、ウニの煮汁で炊いたご飯の上にウニを敷き詰めた豪華な味わい。1日20食限定なので、事前予約がおすすめだ。
美しい久慈の海岸で、ひときわ目を引くのが波の浸食によって形成された「つりがね洞(どう)」。6月の夏至の頃には、洞穴を額縁に水平線から昇る朝日が見られる。
宮古-久慈間を運行する「こたつ列車」
三陸鉄道では、季節ごとに趣向を凝らした企画列車を運行している。例年12月から翌年の2月まで旧北リアス線区間を運行する「こたつ列車」は有名だ(変更、中止の場合あり)。足元をぽかぽかに温めながら、車窓に広がる冬の海絶景をゆったりと眺められる。
※台風19号の影響により、運休が発生しています。詳しくは三陸
取材・文=シュープレス
(バナー写真=大沢橋梁から三陸海岸の絶景を眺める 写真提供:三陸鉄道)